もう随分前に読み終わっていた。さらには最近の私の「主戦場」であるツイッターにはポイントを載せていた。ただ、仕事とプライベートで忙しく、ブログに載せられないままだった。
本書を読むと2019年の新型コロナウイルス感染症は、必ずしも特殊なものではないと理解できる。全体的な位置づけがよくわかった。半分斜め読みだが、体系的になおかつエビデンスベースでここまで明確に書いてくださってることに感謝しかない。10月に校了されてたとあるが、その時点でここまで新型コロナウイルス、免疫の機序に関する知見を体系化されている宮坂先生のインテリジェンスに脱帽。
特に、重傷者は「糖尿病、喘息、心疾患等の慢性疾患、高齢者」であることはSARS、MERSと同様なのだと知った。「新型肺炎」と呼ばれていたころの混乱はわかるが、コロナウイルスだとわかった時点で高齢者、基礎疾患者の方を守るべきだったことは自明であったのでは。
とは言え、たしかに新型コロナウイルスを恐れるべきエビデンスも載っている。予測を含むとは言え、世界における一週間当たりの死者では3位にランクインするらしい。もっとも指数関数的増加でしか感染者数の予測をしていないIHMEによる資料のようなのでいまひとつ信頼できない。
週に8万人が死ぬということは年間400万人の死亡者数となる。Worldmeterを見ても、感染症の猖獗を極めた2020年でも年末の現在その半分以下の死亡者数に過ぎない。更には来年はワクチンの摂取が進むので本当に新型コロナウイルス関連死がそこまで増えるのだろうか?ちなみに、本書においてはあくまでインフルエンザ死が2020年は圧倒的に後退し、新型コロナウイルス死が増えていることの指摘のためにこの表が使われているだけだと付記しておく。
https://www.worldometers.info/coronavirus/
先日、NHKでも日本における特効薬の開発を報道していたが、ウイルス感染と増殖の各「道筋」段階と治療薬の効果が対照されていた。各国、各企業の取り組みが位置づけられてわかりやすい。
以前読んだ本においても特に効果が大きいのは、ウイルスの細胞への侵入の部分と、細胞外排出の部分だと書かれていた。更にインフルエンザウイルスの「H◯N◯」等はまさにこの侵入と排出の部分に関わるエンベロープタンパク質の種類なのだと書かれていた。
インフルエンザの“H”と“N” | DRP
そう言えばインサイダーにはならない方から塩野義製薬が地味に創薬の分野で実績をあげていると聞いた。パンデミックの情勢下で株を買う根性はないが株価すらも劣勢の日本の創薬に関わる方々への支援であると考えるべきなのだろうか?
以前、PCR検査が他のウイルスも拾っている可能性を指摘する動画を拝見した。
動画を拝見しました。PCR検査が新型コロナウイルス以外に7種類ものウイルスを検出しているとは知りませんでした。そりゃあ、狂った数のPCR検査が行われれば他の感染症検出数は激減しますよね。
— ひでき (@hidekih) 2020年11月29日
宮坂先生は明確に否定されていた。
とにもかくにも大変勉強になった。宮坂昌之先生に心から感謝!