HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

中野信子「不倫」読了

ものすごく面白かった。人間の生物としての生殖活動とはこういうものなのかと思い知らされた。また、生物学、遺伝子から見た日本人の「生殖」の評価にも大変共感した。

不倫 (文春新書)

不倫 (文春新書)

現代の日本が取り入れるのは、やはりフランスの大人の恋愛、生殖感。

婚外子を認めて人口増に成功したフランス


少子化対策という点からしても、恋愛や結婚に頼らずに生殖を増やす方法を国家レベル で考えていく方が効率的です。
たとえばフランスは、婚外子への差別をなくすことによって出生率を高め、非常に成功していることでも知られています。すでにフランスでは新生児の5割以上が婚外子です。 法的に婚外子を認めただけではありません。3歳になるとみな保育学校に入学できる(フランスでは3歳以降は日本で言う「待機児童問題」が存在しない)、拒んだ雇い主には罰金が科せられる産休を男女ともに法制化、妊婦は基本的に医療費ゼロ負担・・・・・・、といった施策を組み合わせて、産みやすく、育てやすい社会づくりを進めてきたからです。
その結果、1994年に1.66にまで下がった出生率が、2010年には200ま で回復しました。
婚外子の割合はフランス以外の西欧諸国でも増えており、イギリスでも5割に近づいています。規律に厳しいイメージのあるドイツでさえ、すでに婚外子は3割を突破しました。 ノルウェースウェーデンなど北欧諸国も婚外子が5割を超えています。
(中略)
単なる理屈ではなく、実態としても「生殖と結婚は一体のものではない」のです。不倫は、セックスと恋愛を享受するためのものですが、日本では、そこから生殖への道にはつながりません。これは人々の価値観だけが変わってもどうにもなりません。たとえ不倫相手の子どもであっても産んでいい、育てていいという社会をつくるのは、政治の役割です。社会と政治が協働して、恋愛、結婚、生殖のバランスを変えていくことは、不可能ではありません。

無理に「生殖」して子孫を残せと主張するつもりもないが、現代日本人の恋愛至上主義による「自滅」はあまりにひどい。もう少しいろいろな恋愛の在り方、結婚の在り方、子供のもうけ方を容認すべきであると私は思う。

まあ、人口減少もようやく負の側面ばかりではなく、「楽しむ」方向にも評価されだしているようだ。都心の高くて狭いけど便利な住居と、否かの安くて広くて子育てできる住居の「デュアル」ライフを楽しむ方々が出てきたと。一人あたりの住居面積がなんらかの方法で倍増することが景気対策、空き家対策にもなり、今後の日本のライフスタイルを豊かにすると私は思う。

www3.nhk.or.jp

まあ、住まいの問題を含めて男と女は悲喜こもごもが面白いのかもしれない。

努力にアップサイドあり、懈怠にダウンサイドあり

はてぶで幻冬舎代の見城徹社長の「圧倒的努力」という言葉へのバッシングコメントが続いている。

b.hatena.ne.jp

私も見城社長と同じく「努力は報われる」派だ。仕事においても、ゴルフにおいても、努力した分はかならず報われると信じている。また、何度も絶望しながらも、生き残ってきて、努力が報われるのを見ることができた。努力には臨界量のようなものが存在し、生き残り、なおかつ成功するには「圧倒的努力」が必要となる。そこで努力をやめてしまえば、それまでだが生き残っていければ、生存者利益が存在し、名声、信頼が生まれれば、大きなアップサイドがある。企業、商品開発、画期的な発見、発明などすべて「圧倒的努力」のアップサイドの証左だ。

出版社社長「圧倒的努力は必ず報われます」に対しブラック企業対策プロジェクト代表「たいていはうつ病になる」 - Togetter

遺伝的にどんな環境においても精神疾患等にならないタイプが一定数存在することが検証されている。努力はすべき。逃げるときは逃げるべきだけど、それは努力のあと。

2018/12/14 06:28
b.hatena.ne.jp

私はこの言葉が正しいと信じている。

勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし

松浦静山の言葉「勝ちに不思議の勝ちあり…」 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

これは勝ちにつながる努力にはアップサイドがあり、努力を怠った懈怠にはダウンサイドがあるという意味だと私は理解している。そう、たぶん努力を怠った場合のダウンサイドの方が、実は必要十分条件と言えるほどダウンサイドの確実性が高い。これは誰もが理解できる人生の常識だ。ただ、ダウンサイドを受けた時の矢印の方向を誤ると精神疾患や、健康への影響があったりする。人は順調に努力の成果を受けている時は、努力を続けられる精神的、肉体的健全さを維持できるものだ。

とにもかくにも努力はすべきなのだ。限界をもうけない努力をしなければなにも始まらない。

今更ながらはてなブログをhttps化する

アナウンスをされていたのはなんとはなしに覚えていたのだが、すっかり忘れていた。最近、Chromeでの自ブログの表示に赤字で「セキュリティが万全でない」旨表示されていたうっとおしいと思い、調べ直してようやく気づいた。

help.hatenablog.com

自分の所属する組織のウェブページははるか昔にアクセス向上のためにhttps化していたのに、紺屋の白袴状態であった。本来このブログも、組織ではできないこと、言えないことをやるために存在しているはずなのだが、逆になってきているかもしれない。

どちらにせよ恥ずかしいほど少ないアクセスしか無いのだが、いまのところ特に向上は見られない。まあ、文字通り「今更」なのだろう。

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力の続く限りはブログを書き続けたいとは思っている。

進撃の巨人 26巻、27巻 ネタバレあり

コンビニで27巻を買った。読んではみたものの、ストーリーが全く理解できなくなっていた。

「えっ?(表紙の通り)なんでエレンがいきなり牢屋の中にいるんだっけ?この子どもたちがなんでここにいる?うん?」、と「?」ばっかりになった。自分の記憶の中では、26巻の内容も理解が難しかった。で、読み直した。

進撃の巨人(26) (講談社コミックス)

進撃の巨人(26) (講談社コミックス)

27巻を読んでから26巻を読んで、なにが起こったかようやく理解できた。作中で日本を思わせる国、人々が出てくる。これはエレン達の国が「現代日本のメタファーではない」という作者の主張ではないだろうか。ちゃんと1巻からその「仕込み」がしてあるというのが、またすごい。

今後強大な力をもつエレン達の国が世界を相手に戦う展開になるのだろう。閉塞感、絶望感しかなかった初期(とは当時とても思えなかったが)の展開がまるで嘘のよう。

hpo.hatenablog.com

この作者の頭の中は一体どうなっているのだろう。複雑なプロットをここまで回収しながら、新しい展開を産める才能がすばらしすぎる。

ボヘミアン・ラプソディ

Queenの曲が耳から離れない。頭の中でエンドレスで"Bismillah! We will not let you go"から"Mama mia, let me go"あたりまでがリフレインしている。

www.youtube.com

歌詞が非常にミステリー。殺したのは本当に他の誰かなのか?それとも、自分自身なのか?ニヒリズムというか、自殺願望を感じる。鴨居玲のように才能のある人物が持ちがちな衝動なのかもしれない。

hpo.hatenablog.com

Wikipediaに興味深い記述があった。

Queen states that "Bohemian Rhapsody" is about a young man who has accidentally killed someone and, like Faust, sold his soul to the devil. On the night before his execution, he calls for God saying, "Bismillah" ("In the name of God" in Arabic), and with the help of angels, regains his soul from Shaitan (the devil in Islam).[39]

https://en.wikipedia.org/wiki/Bohemian_Rhapsody

試訳。

Queenは、「ボヘミアン・ラプソディー」は、誰かを誤って殺したことのある若者についての歌だと語った。そして、ファウストと同様に、悪魔に魂を売ったのだと。処刑前の夜、この男は神を「Bismillah」(アラビア語で「神の名により」)と呼び、天使の助けを借りてShaitan(イスラム教の悪魔)から彼の魂を取り戻すのだと。

手塚治虫がそうであったようにフレディー・マーキュリーは、「ファウスト」のように「悪魔」から才能をもらったのだと信じていたのか?圧倒的な作品がデイモンがささやくように生まれ出るのは、幼少期に「悪魔」との取引のような強烈な体験があって得られたのか?

hpo.hatenablog.com

フレディーが「ボヘミアン」として、ファウストの第二部の終わりのような境地に達したのか、そこが知りたい。

hpo.hatenablog.com

ラミ・マレックのフレディー・マーキュリー

前評判が高すぎたせいか、ちょっと期待しすぎていたのかもしれない。ラミ・マレックがフレディーになりきっているという話だったが、脚本がラミ・マレックに当て書きしているのではないかと思うくらい、いつものラミ・マレックにしか見えなかった。

www.foxmovies-jp.com

「Mr.Robot」でみた「偉大な才能があるにもかかわらず自分に対する評価が低く、常に不安を抱えて生きている孤独な若者」のラミ・マレックそのものだった。

hpo.hatenablog.com

私は主に中学生の頃に「クィーン」を聞いていた。実は一番ハマったのは、「フラッシュ・ゴードン」のサントラ。

Flash Gordon (Deluxe Edition)

Flash Gordon (Deluxe Edition)

  • クイーン
  • ロック

この重厚なギターにしびれた。"Roch You"とか、"We Are the Champions"とかかなり歌っていたが、当時はブライアン・メイのギターが私にとっての「クイーン」だった。ずいぶん経ってから、フレディー・マーキュリーが元から英語圏に育ったわけではないのにあんなに素晴らしい歌詞を作っていたのだと知って「ああ、天才というのはいるんだな」と思ったくらいだ。劇中に「僕はステージの上では自分がなりたい自分でいられる。なにもおそれない、強い自分」という意味のセリフがあったが、私は「強い」フレディーしか見ていなかったのだろう。

www.youtube.com

翻って、ラミ・マレックも天才に違いない。

エジプト系[1][2]で双子の兄弟がいる[3]。マレックおよびその両親はコプト教徒である[4]。インディアナ州エバンズビル大学で学ぶ[5]。
(中略)
2006年、2009年、2014年公開の映画『ナイト ミュージアム』シリーズで「展示物」である若きエジプト国王アクメンラー役を演じる[5]。以降、その独特な風貌を生かしたオリエンタルな役を多く務める。

ラミ・マレック - Wikipedia

映画の中で、「クイーンは『規格外』だ。だからこそ、部屋の隅で膝を抱えている孤独な人々と共感できる」というセリフがあった。まにこれは、フレディー・マーキュリーであり、ラミ・マレックだ。

www.youtube.com

改めて「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞を読んで、まさに映画はこの歌詞の通りの人生を歩んだフレディー・マーキュリーを描いているのだと気づいた。だからこそのタイトルなのだと。

「カメラを止めるな!」

これまた機内で見た。ほぼ予備知識なしで見たので、結構びっくり。

kametome.net

二重の意味で監督がなにかのはずみに気合がはいっちゃうとこうなるのかなと。ハプニングがどこまでが意図的で、どこまでが本当のハプニングなのか?考えてみれば、二段落ち展開は押井守チックと言えなくもない。押井守のような見ている側が「残念」に感じる展開ではないのが本当に救い。

hpo.hatenablog.com

当初は、声優の千葉繁のプロモーション・ビデオを作るという話で16mmフィルムで撮影する500万円規模の作品として1986年1月に企画されたが、徐々に話が大きくなり、35mmフィルム撮影の映画製作にまで膨らんでいた[4][5]。

紅い眼鏡/The Red Spectacles - Wikipedia

もう一回、ネタを知った上で見る価値あるかも。