HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

コロナショック経済のハンマー&ダンス

日本における疾病としての新型コロナウイルスはだいぶ先が見えてきているように想う。関連疾病のハンマー&ダンスで言えば、ようやく日本も「ダンス」の時期の入り口に立てたのではないだろうか?次は経済だ。

medium.com

各国の動向を見ても、例えばWorldmeterからリンクしていてるIHMEの予測では8月には米国を始め多くの国が一応の終息に向かっているように見える。*1数ヶ月の差はあるが先が各国の第一波の先行きは見えてきている。被害を受けられた方々に安らぎが与えられんことを祈りたい。

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https://covid19.healthdata.org/united-states-of-america

1月、2月の段階ではそう遠くない将来に新型コロナウィルスのパンデミックは押さえ込むことができ、元の生活にもどることができると考えていた。しかし、日本や、各国の多数の死者は不可逆だ。日本と世界の経済的なインパクトはもはや不可逆域まで到達している。

失業保険の申請数は市場予測(約300万件)とほぼ同じだった。週600万件強を記録した3月下旬に比べて減速したものの、なお過去例のない高水準だ。新型コロナの発生前は1982年の週69万件が最大だった。

3月時点の米労働人口は1億6300万人だった。その後に3300万人が一時帰休や解雇などを余儀なくされた。8日に発表する4月の雇用統計は同月半ばの集計だが、同時点でも失業保険の申請数は2000万件を超えていた。失業率は戦後最悪の水準(1982年12月、10.8%)を突破する可能性がある。

新型コロナ:米、失業保険申請さらに316万件 7週で3300万件に (写真=AP) :日本経済新聞

パンデミックの次の、この経済の第一波が日本にこない訳がない。理由は分からないもののフルセットの産業を持ったG7加盟国の中では、日本は比較的早く終息の見通しが立てられた。4月初めに理由とされたオーバーシュートを回避できた今、緊急事態宣言を予定通り5月6日に取り下げればいち早く経済復帰の見通しが立ち、比較優位に立てたはずだ。しかし、事態はそうは進捗していない。5月末までには日本もまた回復不可能なところまで経済は悪化するだろう。すでに日本が経済的主要各国の中で一番企業の減益率が高いようだ。

hpo.hatenablog.com

www.nikkei.com

今こそ緊急事態宣言が解除でき次第、経済対策をどう打つかを議論すべきなのだが、野党に叩かれすぎた、補正予算で張り切りすぎたのか話しが聞こえてこない。

井上純一先生の「キミのお金はどこに消えるのか」に適切な対策がいくつも載っていた。一番は、この5つに尽きる。

①公共事業をちゃんとやる
②公務員を増やす
③教育、医療に使うお金を増やす
④消費税を下げる
⑤①〜④の財源は国債でまかなう。

https://twitter.com/hidekih/status/1257590331144470533

井上先生の提言がハンマーだとすれば、ダンスはこの本が的確かと。国家的健康水準こそ現代社会における幸福の一番のKPIなのかもしれない。

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私のような市井のはずれの者がなにができるわけではないが、勉強だけは続けていきたい。


■追記

大変、すばらしいサジェスチョン。

news.yahoo.co.jp

誰がどう考えても同胞の死を最小にするのが最上の戦略。

「経済政策で人は死ぬか?:公衆衛生学から見た不況対策」は健康こそが国家が国民に与えられる最上の幸福であるという視点で貫かれている。まさに「ハーモニー」の「生府」。

hpo.hatenablog.com

*1:IHMEの「終息」予想は正規分布を単に当てはめただけだという指摘をいただいている。良く今後モデルを勉強したい。