HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性」

興味深く読んだ。「人工知能」という言葉が一人歩きしている現在、一般人でも実質はニューラルネットワーク関係のマシンパワーとアルゴリズムの改善により機械学習が強化された現状をわかりやすく説明している。

誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性 (光文社新書)

誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性 (光文社新書)

ちょっと気になったのは、人工知能が自身の「学習」を演繹的に説明する機能が実現するのは10年以上かかるだろいうと書いていらっしゃるところ。認知心理学的な手法が割と研究されているように聞く現在、「演繹」ではないかもしれないが人間との比較においてどのような特徴抽出、どのような重み付け、どのようなアルゴリズム*1、どのようなヒューリスティック発見*2で、「人工知能」が「判断」しているかは割と解明が進むのではないだろうか?また、進まないとこれ以上ダイナミックな人工知能の応用が進まない。

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更に言えば、実際の仕事への応用が書かれている。業務のコストダウンの方向にのみAIが使われるだろうと。これからは人間に絡む部分が人間が行うことがとても高価になると考える。そして、AIができることを行うことで、より高付加価値な仕事を生むことが未来を考える上で大切だと私は思う。

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*1:本来計算理論、computationと書くべきだろうと考える。ただ、私の計算理論の理解がまだ浅薄なのでアルゴリズムと書いておく。心理学の諸問題はネットワークの問題に還元可能であるという確信 - HPO機密日誌

*2:ヒューリスティックは明らかにギリシア語の「エウレカ(発見)」語源だと思うので同じ意味の単語を連ねているだけか