HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

自動運転の手前の便利な機能

実際自分で自動運転レベル3の手前くらいの車に割と長い期間運転させてもらった。高速道路だとレーンをほぼ維持するくらいはできるレベル。上限速度を設定して、前の車を追随して走っている分には、本当にストレス無い。四方八方にセンサーやカメラがついているので、かなり安全だなと感じられる。

ただ、ちょっと雨が降るともうレーンの検出はできなくなる。ギブアップのメッセージが出てびっくりした。先日のBMWの最先端の自動運転のデモンストレーションが延期されたというのはよくわかる。

取材当日は豪雨のためデモ走行は中止になったが別の日に行われたデモ走行の映像で確認できた

【BMWが日本初披露した自動運転ってそんなにすごいんか】日産より上か? どう違う??(ベストカーWeb) | 自動車情報サイト【新車・中古車】 - carview!

あるいは、ウーバーの自動運転で歩行者が轢かれてしまったことからもわかるように、深層学習のテクノロジーによってカメラによる人や障害物の認識はできても、認識した結果をどのように運転に反映するかは、あくまで線形のプログラムだより。運転の仕方までは深層学習していない。人を殺さないために、どのような場合には人をひいてしまう事態になるか学習させるわけにはいかない。ものをものとして認識するフィードバック/フィードフォワード学習と判断するレイヤーとではとてつもない隔たりがある。

news.yahoo.co.jp

この方のおっしゃる通り。

「最後まで人間だと認識できず」UberのAI車、初の死亡事故が起きた理由(平和博) - 個人 - Yahoo!ニュース

中途半端な自動運転が、運転手が油断するから一番危険というのはなしの実例だと思う。

2019/11/08 10:02
b.hatena.ne.jp

現在の人工知能は個々のものを認識はできても、そのつながりを認識できているわけではない。自立した生命体ではないので仕方がない。

hpo.hatenablog.com

で、なにを言いたいかというと、当分の間、人工知能を応用した自動運転は安全性を高め、人間の運転者のサポートだという位置づけにするのが吉かなと。法律の緩和も一気に自動運転を目指すのではなく、サポートでここまでやっていいよとしてはどうか?一例で言えば、現在の一般販売されている車は前の車に追随して赤信号で止まることはできても、赤信号と停止線を認識して停止する機能は実現できていない(多分)。それと、赤信号が青になった時の自動発進。現在のものでは人がアクセルを踏まないとリスタートできない。

で、サポート役としての学習する人工知能を車に搭載してありとあらゆる人間の運転者の動作を機械学習させればかなりの実証データがあっという間に蓄積されるのではないだろうか?更には学習データから、適切な運転を推測させるたか、事後データから判断ミスにはマイナスの加重をかけるなど色々想像が広がる。出力側のパラメーターは、単純化すればハンドルとアクセルとブレーキだけなわけで、プログラムではない何層をも学習のレイヤーを統合した出力のシミュレーションが可能になれば深層学習による自動運転が可能となる。*1

法律論的には自動運転を可能にする議論は、まだまだ進んでいないのではないだろうか?

hpo.hatenablog.com

ま、それにしても生きている間にここまで車の運転が自動化される日を見れるとは思っていなかった。先が楽しみ。

*1:もちろん、こうした「学習」による運転者の「疑似人格」とでも言うべき存在が人間と同じアルゴリズム、意思で運転しているかどうかの深い疑問が存在する。hpo.hatenablog.com