若い頃に人事関係の仕事を経験した。それはいまも続いてはいる。最初にたたき込まれたのは労働三法だった。労働基準法と関連法の基本の本を一生懸命読んだ。この本ではないが、この類いの本がまず入門だった。
- 作者: 今井慎,新井将司
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2017/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読んでみて、日本は解雇の不自由が企業側にあり、正社員はもちろん期間雇用者まで判例により「不自由」とされている事態を始めて知った。法律上はすでに解雇できるという人もいるがそういう人は実態を知らない人。外国人労働者、一人親方の建設業者まで、過去の判決等で負けているケースがあると、労組が騒ぎ出すのをいくつも見てきた。一般の会社で日中からデモ行進やら、のぼり旗だのやられたら、企業は参ってしまう。雇用の不自由を遵守しないと、会社の存続につながり兼ねないとずっと理解してきた。
最近、ツイッターで「同一労働同一賃金・労働市場流動化推進連盟」という方を知った。私は「同一賃金同一賃金」とは、労組側の要求だと想っていたので、そもそもアカウント名で蒙を啓かれた。同一労働同一賃金を実現するには、労働市場の流動化と表裏一体でなければならないというご主張だと私は受け止めた。
この背景にあるのが雇用の多様化であろう。現代の労組はいつのまにか「正社員を守り、期間雇用、パート待遇とは一線を画す」方針となってるのが現状。しかし、正社員以外の雇用形態が4割近くに及ぶ現代では労組のあり方、従ってなにをもって解雇の不自由、自由とするかは議論されなければならない。
まして、昨今のいわゆる「ゆとり世代」は面接時のドタキャンからはじまり、退職はもう自由自在となっている。雇用の多様化と合わせて、正社員の新卒一括採用方式、解雇の不自由とのバランスを真剣に考えるべき時期が来ていると私は想う。