HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

堺屋太一の予言

例の受験問題以降、働く女性のライフサイクルについて議論が激しい。いわくもっとバックアップされるべきだと。しかし、夫の協力は性差の問題がありなかなか難しいと。私のようなばり保守派からすれば「じゃあ、大家族主義に戻って男子でも、女子でも、優秀な人材が活躍できるように家族全体でバックアップすればいいじゃないか」と言いたくなるが、個人主義の自由があまりに当たり前になっている世代に言っても言葉すら通じないだろう。

blog.tinect.jp

そもそも、欧米との生産性の差の議論を読む度に思うのだか、日本では秘書とメイドが定着していないから偉い人でも雑務に時間をさかれ本当の仕事に集中できないからではないかとずっと思っている。生産性こそベル・カーブ分布ではなく、べき分布するので、トップの生産性を示す人材群にこそずばぬけた生産性をあげてもらってこそ生産性の平均があがる。

そこで、思い出すがの堺屋太一氏。さすが、はてな。ちゃんと指摘している増田がいた。

堺屋太一「高度経済成長は終わり。これからはメイド産業」

平成30年。バカにし笑う人も多いが、やっぱすごいなあのお爺ちゃん。

女子プロレスマニアというところも見逃せない。

https://anond.hatelabo.jp/20180821020540

堺屋太一氏の「平成三十年」の予言が恐ろしいほどあたっていると。で、ここに書かれていたと記憶するのだが、経済企画庁長官時代に「メイド産業こそこれから育成すべきだ」と主張していた。

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当時のマスコミは、これを笑い者にした。しかし、優秀な女子の就業問題がこれだけ深刻になり、医療業界だけでなく、ほとんどの産業で人手不足を背景に女子と高齢者の就業に期待を寄せる時代が来たいまこそ、遅ればせながら真剣に推進すべきではないだろうか?こう書くと「誰がメイドをやるのだ?」、「メイドを職業にさせるのは差別ではないか」等の意見が出てくるだろう。これは、貿易における競争優位論と同じで自分が一番得意だと思う仕事をするのが全体として一番生産性があがるのだ。id:fromdusktildawn、ふろむださんが以前、トップを走る産業がきちんとしていれば日本全体で生産性が上昇し、賃金が上昇する仕組みを説明していた。これを参照されたい。

hpo.hatenablog.com

団塊の世代」が書かれた1976年次時点で、堺屋太一氏は高齢者問題をかなり正確に予言していた。日本が「民族の秋」を迎え衰退することも明確に語っている。そして、その責任がどこにあるかも。メイド論に代表されるようにきちんと処方箋すら明示していらっしゃる。

hpo.hatenablog.com

もう一度素直に堺屋太一氏の「予言」を読んで、日本の未来の姿を考えるべきではないだろうか?