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HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

フロムダ予想

id:fromdusktildawnさんが、10年前に書かれた20年後の日本社会の在り方が現実味を帯びてきたように想う。ネットの高速化による海外からの家庭教師、仕事のログが当たり前になるなど、するどい論点がばんばん出てくる。実際、フィリピン人による英会話「ウェブ」教師は当たり前になった。想ったよりもテレビ会議は普及がいまいちだが、SFAやメール、大容量クラウドを使ったログの残る打ち合わせ、やりとりは田舎の会社まで当たり前になった。ここでは、雇用についての「フロムダ予想」だけを論じたい。

日本のような先進国が、発展途上国化することとなった。途上国だけでなく、先進国も、辺鄙な山村には、文明から隔絶された自給自足の農民が暮らしている。先進国において、近代文明の象徴であった男女平等の結婚制度は崩壊し、中世の一夫多妻制に逆行した。産業革命によって、労働者として独立した使用人たちは、またもとの使用人に戻っていった。

西暦2026年の日本 - 分裂勘違い君劇場

フロムダさんが呼ぶ「日本のメキシコ化」は戯画化され、誇張されて描かれているが、この背景には経済学の競争優位の考え方がある。しかし、この言葉、概念ほど経済学用語で誤解を受けてきた言葉はないだろう。フロムダさんが正確に理解されていることは、当時の議論を想えばなんの疑問もない。

その一歩手前に市場の拡大のみが雇用の拡大を生んだという指摘がある。フロムダさんは、中世領主制度までさかのぼってこの話しをしている。中世の農奴制度が開梱による労働市場の激化によってのみ、みんなが幸せになれる制度に移行できたと。市場拡大が不可欠であるという指摘の後、日本の状況についてこう書いていらっしゃる。

ときどき「景気が良くなっても労働者の賃金は上がらなかったじゃないか」ということが言われることもありますが、これはタイムラグのせいでそう見えるだけでしょう。実際には、景気が良くなってビジネスが拡大し、企業が十分潤い、資産家が潤い、高所得者が潤う期間が十分に長く続いた後、最後に労働者の人手不足の深刻化が臨界点を越え、労働者の待遇改善が引き起こされるのが歴史上繰り返されてきたパターンです。ところが、ここ20年ぐらいの日本では、人手不足が深刻化して労働者の待遇が改善されるほどの力強い景気回復は一度も起きていないのです。

人類史上何度も起きた、クソ労働環境の劇的な改善の原因 - 分裂勘違い君劇場

残念ながら、この20年はすでに30年を超えたと言っていい。しかし、昨年の「保育園落ちた、日本死ね!」という激しい言葉で語られた保育所の問題あたりから状況が変わってきていると私には想える。フロムダさんの競争優位による一国ないの労働状況の改善という現象が起こっているように想える。

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「他人の生産性が向上すると自分の給料も増えるのか?」を中学生でもわかるように図解してみました - 分裂勘違い君劇場

詳しい議論はぜひフロムダさんのエントリーそのものを。私にはフロムダさんのようなわかりやすい文章はかけそうにない。

残念ながら、この図の「工場」にあたるのは、現在の日本では自動車しかない。ああ、あと一部の工作機械かな。以下のフロムダさんの文章の「工場」を「自動車産業」に置き換えて読むとリアリティと危機感がます。

現実の社会では、工場が依存するのは、清掃会社だけではありません。
運送会社、電話会社、不動産会社、建設会社、などなどたくさんの会社に依存してビジネスをしています。

そして、工場労働者自身も、たくさんの他の国内産業に依存して生活をしています。
工場も、工場労働者も、実にたくさんの国内産業に依存することで成り立っているのです。

ともあれ、日本の生産性の高い産業を支えるために保育所などの周辺的な雇用の促進が進み、実際に里山に帰る地域再生の動きが確定的になり、海外の労働者の受入がそれなりには進んでいる2017年現在は全く暗黒という訳ではなく、明るい「2026年のメキシコ化した日本」に向かっているように私には見える。

特に、オチも、フロムダさん以上の見解も示せないが、フロムダ予想の20年間に中間の現在として書いておきたかったので書いた。