読んでて大変おもしろい。私の第一印象。
ふろむださんが心理学部出身で成功した事業家であることを知っただけで満足。「錯覚資産」の存在を学部時代から教えられ、それを図る統計学まで仕込まれてるのになぜ心理学出身者で事業家が少ないか不満だった。 https://t.co/yxWyLSVg04
— ひでき (@hidekih) August 12, 2018

- 作者: ふろむだ
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/08/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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心理学科*1に入って初めに教えられるのは「心理学は科学だ」ということだ。これだけで何冊も本が出ているが、科学とは立証可能であり、反証可能であり、操作可能である事実を扱うということだ。人の行動、内面という極めてそのメカニズムがどうなっているかの仮説を立証するのが難しく、逆にフロイド/ユングのような極めて魅惑的な学説を反証するのが難しく、以上から操作が不可能に近い学問領域であるためにここから学生は挫折しがち。まして、「操作」についてはいわゆる臨床をやるためには「医者しかできません。ここにいて臨床やりたいって言っている人は勘違いしています。医学部に入り直してください」と言われる。*2
では、なにを学ぶのか?測定可能な、錯視や、動物の行動などを対象とすることになる。錯視などを少し学ぶだけでいかに人間は自分が見ていると思っているものと、実際に見ているものが違うかがはっきりわかる。動物の行動は、反復の学習や、薬物などによりかなり操作可能であることがわかる。いずれも、立証可能であり、反証も可能だ。そして、そのための「武器」として統計学を学ばされる。私は決してまじめな学生ではなかったが、本当に感謝している。
この後、ビジネスの世界に入りなんとはなしに心理学で学んだ「人間」観は人生を生きていく上で役に立つだろうと考えてきた。またエントリーを改めて触れたいが、自分の仕事のやり方にもいくつか応用したようには思う。
組織行動論や社会心理学の上で、仲間意識を持てる上限の人数というのがある。大雑把な意味での家族、軍隊での小隊、会社での課の人数は、7人前後だ。論拠は出さないが、Twitterでごくごく親しくやりとりをしている人数は、7人より多いことは少ないのではないか?次の上限が50人。これは、ちょっとした親族の集まりや部族社会、軍隊の中隊、会社の部や本部の人数だといわれている。そして、その上の上限である150人がなんらかの帰属意識を共有出来る限界だといわれている。これは、ちょっとした村、軍隊の大隊、ひとつの帰属意識をもてる一学年などにあたる。
トーテムポール、トーテムポール - HPO機密日誌
それにしても、ここまで端的に「人間は錯覚を信じて生きている。ならば、その錯覚を利用しない手はない!」という内容をわかりやすく本にしたふろむださんは最高!
二十代の子供にに読ませたらあっという間に読了してました。面白かったそうです。
ひでき on Twitter: "二十代の子供にに読ませたらあっという間に読了してました。面白かったそうです。… "
今後、ネットワーク、べき分布的な視点から本書を読み直したいと思っている。ちょっと予告だけ。
これめちゃ面白い。ふろむださんの本の裏側のメカニズムだとも言える。https://t.co/FLEuZHnSJ4
— ひでき (@hidekih) August 13, 2018
*1:いまは、人間科学とかさまざまな名前を変えているが基本は同じ
*2:まあ、いまは臨床心理士などできたので、若干変わってきてはいる。 臨床心理士とは | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会