HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

パンデミックは貯蓄率を変えるか?クルーグマン教授のポストコロナの経済学

今回のCovid19によるパンデミックで各国がどのような経済的な影響を受けたか、GDPの第二・四半期(2020年4-6月)が出そろいつつある。日本も戦後最悪のマイナス成長を記録した四半期となった。こうした状況の中で、消費者の行動がどう変わったかは現在の状況を受けて経済・ビジネスに関わる者として真剣に考え、試行し、情熱をもって仕事に取り組む基本となる。

消費者がどう動いているか、動くかについてクルーグマン教授から大変示唆となる連続ツイッターがあった。

togetter.com

機械翻訳を使ってざっと訳した。冒頭の数字はクルーグマン教授の連続ツイット末につけられた番号に対応している。

https://togetter.com/li/1577838

1.ニュースはすべてカラマ(Kalama、綴間違い)。しかし、もちろん私は逆張りをして経済学について話しをしよう。今後数週間で、さまざまな場所、もしくはどこでもない場所(聴衆は様々な場所にいて私はヴァーチャル)で、新型コロナウイルス後の経済について話す予定だ。なにを話すべきか?
2.新型コロナウイルスは、私達がなにを買うかも、どう働くかも変える。両方の側面について語るべきいくつかの事柄がある。まず、パンデミックは基本的に私たちに支出を止めることを強いた。しかし、私たちは使わなかったお金で何をするのか?他のものに使うのか、それとも貯金するのか?
f:id:hihi01:20200818163239p:plain
3.おっと、あれ、なんとカマラのスペルを間違えてた。オートコレクトのせいではない。タイピングがすべっただけ。 KAM-a -la、Kam-a-la*1
4.とにかく、バーに行けなかったり、クルーズに出られなかったりした人は、他のことに夢中になっていたかもしれない。しかし、結局のところ、みんな貯金していた・・・、これまでのところ。
f:id:hihi01:20200818163259p:plain
5.だからこそ、マクロ経済学の観点からパンデミックによる失業者に寛大な援助を提供することが非常に重要だった。援助が消滅した今、なぜ災害が迫っているのか?
6.しかし、長い目で見れば、もしワクチンがないままでも、これまでの活動を再開できたとしても、人々はお金を使う他の方法を見つけるだろう。歴史的な実例がある。健康上の懸念により喫煙率がぐっと低くなった時、タバコ関連支出はどうなったか?
f:id:hihi01:20200818163318j:plain
7.たばこ製品は消費者支出のかなりの部分を占めていたが、ほとんど支出からなくなってしまった。
f:id:hihi01:20200818163348p:plain
8.しかし、貯蓄率は上がらなかった。人々は他に買うものを見つけてしまった。 新型コロナウイルス後に再開できない活動についても、最終的には同じことが起こる。
9.同様に、働き方も変わるだろう。リモートワークがどれだけ、職場での仕事を代替するかはまだはっきりしていない。一方では、職場での仕事はおそろしく手のかかる育児の面倒をみなければならないので、雇用者にはリモートワークを機能させるインセンティブを与えている。しかし、マイナス面も時間の経過とともに明らかになる。
10.私が心配していることの1つは、これまでに考案された最も効果的な大量輸送システム・・・つまりはエレベーター、にどれほどの長期的な打撃を与えるかだ。
11.ひとつ明確なことは、我々は(どんな状況にも)適応するということだ。それは現代社会がやっていることなのだから。ほんのちょっと有能なリーダーシップさえ与えられたら・・・。あ、ちょっと待って!
12.ああ、私はひどく太った指の無能さによってハリスの名前を間違ったので、私はPual Kurgmanとしてサインオフするべきだな。

つまりは、人々は短期的には貯金に走っても、中期的には必ず旅行や、飲食以外の消費の方法を見いだし、「適応」するだろうと。リモートワークは、「育児」への対応がかなりの負担であった企業側にインセンティブをもたらすので、生産性があがるかどうかに関わらず継続させる可能性がある。教授は影響が大きいので、「エレベーター」と書いているが、航空業界全般を「隠喩」させているのではないだろうか?

人々の、「適応」の方向を見極めるのが企業側の生き残りをかけた使命。

*1:言うまでもなく、民主党の副大統領候補。米国初の女性・アフロアメリカン候補。クルーグマン教授が意図的に間違えたかは不明。

ブログ、辞めたい!けど、辞められない!

って、下手なコピーしか書けないくせに17年もブログを書き続けている私。そんな私が「感想」を書くのもはばかれるが、「まんがでわかる伝え方が9割」、同「強いコトバ」には大変インスパイアされた。

まんがでわかる 伝え方が9割

まんがでわかる 伝え方が9割

  • 作者:佐々木 圭一
  • 発売日: 2017/01/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

まんがでわかる 伝え方が9割 [強いコトバ]

まんがでわかる 伝え方が9割 [強いコトバ]

  • 作者:佐々木 圭一
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

基本的には、相手の立場になって考え行動してWin−Winの関係をつくる7つの切り口、3つのステップ。それと、「強いコトバ」を作る5つの方法をこれでもか!と言わんばかりにわかりやすく書いてくれている。ネタバレしてもこの二冊以上のことは書けそうにないので、中田敦彦氏の動画を持って代えたい。

www.youtube.com

漫画なのでストーリー仕立てなのだが、ここがまた泣かせる。「伝え方が9割」には人としての真実があると私には思える。それは、人は人の役に立ってなんぼだということ。コトバは相手に伝わって、相手に理解されて、共感されて、相手を動かしてなんぼだということ。私が「辞めたい!けど、辞められない!」下手なブログを17年書いてもなんの成果も得られないのは、自分のためだけに書いている文書だからだ。真反対で、リアルの私の仕事では自分を勘定に入れていない。すべて人のために仕事をしている。だから、この17年間で仕事の上では多大な成果をあげられたと自負している。

作者の佐々木圭一さんの姿勢にご自身を勘定に入れない、人のためになる仕事の姿勢を感じるのは私だけだろうか。

f:id:hihi01:20200818172751p:plain

https://www.ugokasu.co.jp/about/

そうそう、自分を勘定に入れないとか言いながら、ブログの多弁とは逆に日常では人に伝えるためのコトバへの努力は最小限しかしてこなかった。もっと、同僚や、お客様に伝わるコトバを生み出し方を身に付けるべき時が着ている。人生の半ばを過ぎ、自分がますます前線に立てなくなる日が近づく今、人にコトバでお願いするスタイルに変わっていかなければならない。

都道府県別リスク(個人的メモ)

前回解説したスプレッドシートによりリスクの高い都道府県の予測と現在までの死亡者との比較グラフを作った。

hpo.hatenablog.com

対象としたのは、全国、東京以外、それから陽性者数、死亡者数のトップ5の都道府県。

f:id:hihi01:20200816220126p:plain
f:id:hihi01:20200816220140p:plain

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

以下、スプレッドシートよるグラフ。

docs.google.com

f:id:hihi01:20200816220341p:plain
f:id:hihi01:20200816220356p:plain
f:id:hihi01:20200816220249p:plain
f:id:hihi01:20200816220306p:plain
f:id:hihi01:20200816220522p:plain
f:id:hihi01:20200816220536p:plain
f:id:hihi01:20200816220559p:plain
f:id:hihi01:20200816220612p:plain
f:id:hihi01:20200816220627p:plain
f:id:hihi01:20200816220641p:plain
f:id:hihi01:20200816220746p:plain
f:id:hihi01:20200816220759p:plain
f:id:hihi01:20200816220846p:plain
f:id:hihi01:20200816220900p:plain
f:id:hihi01:20200816221020p:plain
f:id:hihi01:20200816221031p:plain

医療による充実なのか、トップ5の都道府県を見ているだけでも予測数値と実際が違うことがわかる。予測と実際の違いから言えば、東京都など比較的医療サービスが充実している地域では予想を大幅に下回る死者しか出ていないように見える。大阪府、愛知県は死亡の率が下降傾向とはいえ、確かに今後死亡者数が増えることが予測される。福岡県と埼玉県は今なお予測を上回る死亡者が出ているように見える。医療体制の差なのだろうか?

世界的に見ても都市部での感染の広がりと速度が顕著であり、日本の都道府県を見ていても都市化の密度が濃い都道府県が感染が広まっている。英国などでも、covid19用の病床ががらがらだと伝えられる。

欧州にしろ、日本にしろ検査の広がりによってCFRがIFRに近づいていっているように見える。むしろ当初想定されたIFRに0.7%をも下回る可能性がある。私の手計算で二週間ずらした感染者数と死亡者の数の比は0.7%を下回り0.5%近くになっている。

hpo.hatenablog.com

今回の新型コロナウイルスは感染力は非常に高いが、新型コロナウイルスの直接の死因とする致死率がどれだけ高いかは冷静に考え直すべき時期がきているのではないだろうか?8月1日から15日までの実データの死亡者数は79名だが従来の致死率で計算すると256人の死亡予測となる。以前と同様1/3程度の死亡者数となっている。医療従事者の方々のおかげだと感謝もうしあげたい。少なくとも欧米のような大量の死亡者がこれから出るとは考えづらい。

なんども本ブログで指摘しているが日本は月間10万人以上、年間130万人以上が死ぬ世界一の死亡大国なのだ。少なくとも今月だけでこれまでの新型コロナウイルスによる死亡者数と同程度の熱中症死が出るだろう。その内のだれだけの割合が新型コロナウイルスを恐れるあまりのマスクなどの着用によるものなのかエビデンスは示す力は私にはないが疑問に思っている。

hpo.hatenablog.com

熱中症だけではなく、過度に新型コロナウイルスのみを恐れる行為は最終的には感染症によわくウイルスや菌との共存ができな国民を大量生産することになり、更に多くの死亡者を生むことになるように思えてならない。これは、新型コロナウイルスが怖い余り外出できなくて体力等が衰える高齢者を勘定に入れないちょっとだけ広い意味での感染症対策の視点においてだと私は考える。

PSYCHO-PASS season 1

ものすごい勢いで見てしまった。見た理由はほぼアンブレラアカデミーと一緒。The 100の新しいエピソードが公開されないから。

www.netflix.com

もう虚淵玄が自分が天才であることを証明するために製作されたような作品。

2006年から2007年にかけて、TYPE-MOONとの共同プロジェクト『Fate/Zero』の執筆を担当。2008年には『Phantom』や『続・殺戮のジャンゴ』で興味を持った広江礼威からの指名で、『ブラック・ラグーン』のノベライズ「シェイターネ・バーディ」を執筆した。同年に放送されたアニメ『ブラスレイター』でシリーズ構成・脚本を担当して以降は、アニメ作品のシナリオにも関わるようになり、2011年の『魔法少女まどか☆マギカ』で知名度を大きく上げた。

虚淵玄 - Wikipedia

作品からも虚淵玄がいかに読書家なのかが伺える。一体どうして2100年代における20代の刑事が「闇の奥」などを読んでいようか?パスカルを諳んじていようか?押井守を上回る衒学的センスを感じる。

闇の奥

闇の奥

少なくともシーズン1のストーリーは私が「悲しきフーガ」と読んでいる70年代(多分)のSF作品の影響を受けている。私が思い出して書いたプロットがつい2年前のものなので実証性はないが、同様の社会、同様の社会を安定させる「公安」の体制を描いている。

hpo.hatenablog.com

ちょっと先も見てしまいそうだ。

都道府県別リスクと実データの比較(個人的メモ)

「東京は重篤化のリスクが少なく、地方では高い。医療体制の充実の結果か」とツイットしていらした。

医療統計P on Twitter: "重症者のコントロールが一番できてるのが東京都という現象。

東京が危ないって言われ続けたおかげで、ハイリスクな人や、関連職種の人が、ものすごく気をつけていて、そのおかげで抑えられているのではないか。"

自分のスプレッドシートによるリスクと実データの死亡者数の比較ができていなかったので、改造を試みた。

hpo.hatenablog.com

すでに、フィルターもしくはスプレッドシートで年代別の陽性者数とリスクのグラフまではできていた。

hpo.hatenablog.com

足りなかったのは、都道府県別の死亡者数だった。結構さがしてたつもりででこなかったが、東洋経済のサイトからGitHubcsvデータが公開されていた。

toyokeizai.net

github.com

GitHubの使い方がまだわかっていないので、自動取り込みには成功しなかったが、GitHubデスクトップでローカルに落としてスプレッドシートにimportすることはできた。これをピボットテーブルで日付と都道府県で整理してグラフ化できた。なにせスプレッドシートなので都道府県名*1まで入れてからグラフができるまで1、2分程度かかってしまう。

割と、東京がリスクを死亡総数が下回ったのは最近に見える。それでも、なんどか書いているように従来の致死率から言えば、かなり低い。

f:id:hihi01:20200814155128p:plain

北海道などでは、いまだにリスクと死亡数が同程度。

f:id:hihi01:20200814155228p:plain

「東京以外」だと実際の死亡数が上昇傾向。ということは、まだ同定できていないがどこかの地方では死亡は増えている。

f:id:hihi01:20200814155335p:plain

よくよくあとで分析していきたい。東洋経済が提供しているファイルは他にも様々なデータが含まれている。

*1:東京都、大阪府、愛知県等、「都道府県」までがキーワード。「東京以外」は有効。

アンブレラ・アカデミー Season 1&2

たまたま時間があり、1週間ほどで見てしまった。正直に言えば、The100のファイナルとなるSeason7のエピソードの配信が途中で止まってしまったので見始めたというのが本当のところ。

www.netflix.com

いつぞや、コピーライティングの基本は商品を買わせること自体ではなく、広告のボディを読ませたくなるためにあると聞いた。そして、ボディの1行目は2行目を読ませるためにあり・・・、と続く。このテレビシリーズはまさにコピーと同じで、エピソード1は2を見せるためにあり、3は4と続く。これがシーズン2の最終話まで切れない。

物語がプロローグは1989年。この年は平成の最初の年であり、私が社会人になった年であり、想い出深いものがある。そして、その30年後の2019年が「現代」として設定されているのだが、携帯電話も、スマフォも、ウェブもない、もしくは一般的でない、ちょっと古く、なつかしい感じのする「今」として描かれる。ここがまた魅力的。原作のコミックが20世紀の設定だからなのかもしれないが。

en.wikipedia.org

エピソード1は、ヴァーニャのヴァイオリンによる「オペラ座の怪人」の演奏から始まる。この物語が家族の中のはぐれもの、機能不全として描かれるのに適切な前奏曲だろう。シーズン2にいたって更に少し前の精神病院、LGBT公民権運動など、抑圧された側を描いている。私にはそのメタモルフォーゼが必ずしても説得力があるよに描かれたとは思えない部分があるにせよ、カタルシスは感じられた。

シーズン2が終わってもまだ様々な「謎」TVシリーズで残されている。ぜひシーズン3に期待したい。

汎用性・自動性のあるスプレッドシート

Covid19関連でいくつもスプレッドシートを作ってきた。対外的にはDatatsudioも使った。いまとなってはあまりに稚拙で恥ずかしい内容、表現ではある。途中からimportdata、arrayformula、queryなどスプレッドシートをデータベースとして使いこなす手法を学び、だいぶ汎用性がある形での使い方を学んで来た。結局はいろいろ調べながら、トライ&エラー、そして時々ツイッターでマイスターレベルの方からヒントをいただき、実装という過程であった。

hpo.hatenablog.com

hpo.hatenablog.com

スプレッドシートで現在進行形の現象の分析に使うには、新しいデータをいかに最小限の手間で取り込め続けられるかが肝。できれば自動化したい。そのためには、データと構造をできるだけ分けてスプレッドシートに載せるようにするか。実際、jag-japanさんのデータをフルセットのシートに取り込もうとして、限界オーバーになり別シートにした。症例のケースが5万件近くになればそりゃそうだと。この問題の解決のために、新しいデータ(csv)を別シートで取り込み、importdata等のURLを書き換えるだけで更新できるようにした。

年齢年代別死亡予想 20200810 - Google スプレッドシート

更に、importdataはかなり強力。厚労省のオープンデータを始め、ウェブ上のcsvデータを自動で取り込める。教えていただいた。

更に、地域別にデータを見たいというお声をいただき、試行錯誤の末にピボットテーブルのフィルター機能を使ったシートに改良した。

docs.google.com

フィルターは当然操作できなくなるが、ウェブ公開もサポートしているのは便利かなと。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/e/2PACX-1vQOFYho8EKesU-Xu8I5K2sKi0V2IVbsh0tXAynxr2tutCZGkLDCtcm3UCSOFSYR6_7L_3255c44dQqf/pubhtml

まだまだ整理がついていないところがたくさんある。現在は、移動量のデータを最小限の手間で更新できるように苦戦中。すべては現在進行形。