HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

靴を直してしまうクセ

リーガルの靴が履きやすくて長年ずっと履いている。気がつくと、プライベートの靴まで含めて全てリーガル。リーガルファクトリーというアウトレットも含めての話なので、コアなファンの方からお叱りをいただきかねない程度。

以前、えらい高い靴ばかり履いていた友達がいた。また靴好きで十足ではきかないほど持っていた。友達曰く「高い靴を買っても私は年間何足かを修理に出す。だから、結局お得なんだ」と。これにしびれてよく私も靴を修理に出すようになった。呆れるほど時間もかかるし、お金も新しく買った方がいいんじゃないの周りの人に言われるほどかかるのだが、物を大切にしてる感じが良い。

まあ、つまらない話なのだが。

キラキラ近道の罠

フミコフミオ氏のエントリーを拝読してから言葉にできないなにかがあった。昨日、それは「近道の罠」なのだと気づいた。

delete-all.hatenablog.com

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もしかするとフミコフミオ氏の体験された事実と違うかもしれないが、私の中では最初のエントリーの「最近の若い人たち」の中に「若手のホープ」氏が入っているのではないかと考えている。これも、「僕の狭い観測範囲の話」なのだが私が見聞きする範囲でも、「最近の若い人たち」は自分の成長に必死で、ウェブでも、本でも「成長している人」の情報をたくさん読んでいる。そうした成功談の中のキラキラと輝く成長している人に重ねて、自分の歩む道をイメージしている。しかし、残念ながら成長過程のどこでも怒られたこと、挫折したことがないので、そのイメージから少しでも自分がずれてしまうと動けなくなってしまう。動けなくなってしまうので、好むと好まざるとに関わらず仕事を辞める。

「目的にマッチした成長」の仕方とは、叱られたり、こづかれたりしながら、人のキラキラとした近道ではなく、自分自身の遠回りの道を歩むことで様々な事態が自分に降り掛かっても自分をその事態に向けて成長させたり、改変したりすることができるようになる。社会は常に変動し続けている。その変動に合わせて自分を成長させることが大事であって、見聞きしたキラキラとした人たちのキラキラとした道は参考にはなっても自分の道にはならない。

いや、ま、改めてフミコフミオ氏のエントリーを拝読することこの程度のことは十分に書いてある。私の劣化コピーに過ぎないこのエントリーの作成に「(所要時間21分)」以上かかっている。改めて、その状況、事態に合わせて自分自身を改変、成長させることができるフミコフミオ氏に敬意を評するとともに、この文章力すごなと思う。ぜひどうやって自分の改変力、文章力を身に着けたか語っていただきたい。私も参考にして文章を上達させたいものだ。あ、いや、「最近の若い人たち」と同じ罠にハマるだけか・・・。

「グリーンブック」

アカデミー賞を受賞したという評判を聞いて見てきた。「助演」なのかと疑問に思ってしまうが、ピアニスト役のマハーシャラ・アリの演じる知的な黒人男性が素敵だった。

gaga.ne.jp

受験生であった頃、英語の長文読解で黒人解放に関する文章を読んだ。60年台以降黒人の公民権回復運動により才能ある黒人の子供たちは十分な教育を受けた。そして、話す言葉、生活レベル、すべてにおいて一般のいわゆるアフロアメリカンとは異次元の存在になってしまった。「彼らはもはや黒人ではない」と書いてあったように記憶する。まさに、アリの演じた実在のピアニストはこうした存在の代表格であったのだろう。

ciatr.jp

逆に「主演」のヴィーゴ・モンテンセン演じるナイトクラブの用心棒は、イタリア系アメリカ人で腕っぷしも強く、智慧もあるが一般的な教育は受けていない。「ホワイトプア」の層に近い。

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(以下、ネタバレを含む)

彼の"I am blacker than you."「俺はあんたより黒い」という台詞は現在のポリティカル・コレクトネスの米国社会ではぎりぎりの台詞であったのではないかと想像する。本当に印象的な台詞だ。

白人のドライバーに運転させているピアニストが南部、deep southの田舎の道で立ち往生した時、周りの農園で働く黒人達から奇異の目で見られるシーンがあったが、まさに「もはや黒人ではない」ことがよく表現されている。

最後の最後のシーンはこうした背景からすれば、本当に感動的だった。

ベトナム語の類別詞

ベトナム語を勉強し始めて結構びっくりするのが類別詞。例えば、よく使われる生き物につける"con"という類別詞は日本語の「この」に発音が似ているし、という特定する機能もありなんとなくわかる気がする。あるいは、助数詞、「◯個」という意味もあるのでこれもまたなんとはなしにわかる気がする。

ベトナム語には 「類別詞」 というものがあります。 類別詞は、名詞の前につけて、その名詞が動物なのかモノなのか、丸いものなのか綴じられたものなのか、といった形状や性質を表す働きを持つ言葉 です。ベトナム語学習の最初のほうで習う「Cái này là cái gì」の「cái」は、この類別詞にあたります。

ベトナム語の類別詞39~使いこなせばランクアップ!~│ベトナム生活情報サイト、VIETJO Life(ベトジョーライフ)

しかし、実際には200以上もあると聞くとこりゃあ先が長いなと感じてしまう。

本研究は、ベトナム語類別詞の全体像を追究することを研究目的とするため、まずベトナム語の品詞論における類別詞の位置(名詞の下位に分類される語群であること)を整理再確認し、さらに、この類別詞が「数詞+類別詞+名詞」という構造を取ることができるという意味で、「類別詞が『可算名詞』の仲間であること」を指摘した。従来、先行研究においては、「数詞+“類別詞”+動詞/形容詞」の形式内にある“類別詞”も類別詞として扱われてきたが、本研究では、これら動詞/形容詞に前置する“類別詞”は類別詞とは認定しないことを主張した。さらに、類別詞と同じ仲間である他の「可算名詞」との相違点についても論じた。
次に、この分析・考察から明らかになったことを踏まえ、どのような語を類別詞として認定するかという認定基準を設定した。その結果、本稿では、合計248 語の類別詞が確認された

https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/27211/8/lan020201400603.pdf

文法的には「可算詞」、つまりは、「一個、二個」、「一羽、二羽」という類と同じと考えれば、同じ漢字語源の語彙を使う文化として共鳴できるかもしれない。

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コペンハーゲン:ストロイエ、人魚姫、ニューハウン

とても美しい街だった。






fika10.com

デンマークナチス・ドイツ空爆を受けていない都市だと聞いた。

1940年4月9日(ヴェーザー日)早朝にドイツ軍はデンマークノルウェーに侵攻した。侵攻部隊のノルウェー上陸予定時刻(ヴェーザー時)はドイツ時間5時15分(ノルウェー時間4時15分)と定められた。

(中略)

デンマークノルウェーの地理や位置、気候は大きく異なっていたため、実際の軍事作戦は大きく異なったものとなった。デンマークは侵攻初日の4月9日に、クリスチャン10世とデンマーク政府は条件付で降伏した。

ヴェーザー演習作戦 - Wikipedia

コペンハーゲンはとにかく経済的に豊かな感じがした。「北のパリ」と言われる理由がわかる。

同国の経済の中心であり、世界的な海運会社A.P. モラー・マースク、ビール会社のカールスバーグ、製薬会社ノボノルディスクの本社などが置かれている。

コペンハーゲン - Wikipedia

たしか、「こうもり」を見たオペラハウスはA.P.モラーが単独で国家に寄付したとか。




hpo.hatenablog.com

王様が弱気ですぐ降伏してしまうのはハムレット以来の伝統か?ハムレットの一族の争いで隣国の王子に王権を宣言されて幕を閉じる。まあ、実際にはドイツ軍への対応と同じで降伏しながらもしっかり王権、主権を取り戻しわけだが。そう考えると、ハムレットも、デンマークという国もしたたかであるのかもしれない。

「おいしく眠ってください」

フィンランド語の学習でまだ50代でも言語学習はできるんだなと実感したので、もう少し仕事につながる言語に挑戦しようと決めた。そこで、ベトナム語

ベトナム語レッスン初級〈1〉 (マルチリンガルライブラリー)

ベトナム語レッスン初級〈1〉 (マルチリンガルライブラリー)

nemo ベトナム語

nemo ベトナム語

  • Nemo Apps LLC
  • 旅行
  • 無料

50の手習いのフィンランド語は、すきま時間でアプリを立ち上げひたすらシャドウィングで単語を覚え、教本や関連する本を読むことで多少の手応えが感じられた。関連する映画や、本を読んだのも大きかった。やはり、言語とは総合的な体系なのだと思う。

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ベトナム語の語彙の六割、七割は中国語起源だというのもありがたい。アプリで聞いていて、なんとはなしに漢語的、いや、韓国語的に聞こえる語彙がたくさんある。

聴いてびっくり漢字の世界―日中韓越の漢字音はこんなに似ている

聴いてびっくり漢字の世界―日中韓越の漢字音はこんなに似ている

表現がなんとはなしに南国を感じる。例えば、「おやすみなさい」はアプリによると「Chùck ngủ ngon.」というらしい。これは、「しなさい、ねむり、おいしく」となる。つまり、「おいしく眠ってください」が「おやすみ」としての表現となるらしい。なかなか興味はつきない。

デンマークの風力発電

デンマークを訪問した時に、NGOから「2050年までに化石燃料を使わない国になる」という説明を受けた。既にデンマークは1980年からGDPを1.7倍にしたにもかかわらずエネルギー消費量*1は、そのままであったという。そして、化石燃料の依存度はすでに10%以下になっているという。これは580万人の人口の小国であるとは言え、驚異的。

www.youtube.com

https://houseofgreen.stateofgreen.com/

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なんといっても首都コペンハーゲンの洋上に20機もの巨大風力発電を設置してしまうほど。古都の風情をくずさず大きな大きな曲線で配置しているところがデザインの北欧らしい。有名な最上階近くまで馬で上がれた「円筒」からよく見えた。

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www.tripadvisor.jp

建築関係者としてなるほどと思ったのは、一番手軽(instant)な省エネは建物の断熱を高めること。化石エネルギー消費の多くは家や職場の冷暖房なのだという。北欧らしいのは地域冷暖房を徹底しているところ。

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日本でも省エネ法が年々改正され住宅や、中小規模の建築物まで一次エネルギー消費量計算を行い、断熱を高める機運が高まっている。そもそも、日本こそGDPの成長とエネルギー消費を調和させている国。改めて、デンマークを見習い大きな省エネ目標を掲げてほしいものだ。

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https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/h30law/20181227_001_gaiyo.pdf