ファイナンシャルタイムスのCOVID-19の分析をされているJohn Burn-Murdoch氏が読むべきと勧めてくださっていた記事を読んだ。題して、「“There’s life in the old dog yet” – let no-one be abandoned to Covid-19.」(試訳「老犬にも余命がある:COVID-19に誰も置き去りにしてはならない」)。欧州ではかなりシビアな状況になっているようで、それでも高齢者のケアを続けるべきだという主張に受け止めた。
Recommended reads:
— John Burn-Murdoch (@jburnmurdoch) 2020年4月18日
• @FT’s @jemimajoanna on complex trade-offs of lockdownshttps://t.co/T4QTfZMx1Q
• Wuhan lockdown is over, but restrictions remainhttps://t.co/XCMxTNxLai
• Brilliant analysis shows why "covid victims would have died anyway" is wrong https://t.co/XbOJzRboQm
サマリーをGoogle翻訳してみた。ちなみに、専門用語の多い医療関係の記事は自己流で読むよりGoogle翻訳を読んで原文を読む方が早い。
Summary
Although many COVID-19 deaths involve those with chronic health problems (e.g. diabetics), such health problems are normal at high ages. People with managed conditions such as diabetes, even in the presence of adverse risk factors (e.g. obesity, smoking) would generally have several years of life expectancy at high ages. The contention that the majority of this year's COVID-19 victims would have died this year absent the coronavirus is incorrect. Furthermore, it is a dangerous message as it could easily lead to an 'it doesn't matter' attitude to the health crisis, and in particular, could weaken the case for social distancing.
サマリー
多くのCOVID-19の死亡には、慢性的な健康問題(糖尿病など)を伴う人が含まれますが、そのような健康問題は高年齢では正常です。糖尿病などの管理された状態の人々は、有害な危険因子(例えば、肥満、喫煙)が存在していても、一般的に高年齢で数年の平均余命を持っています。コロナウイルスがなければ、今年のCOVID-19犠牲者の大多数が今年亡くなったであろうという主張は正しくありません。さらに、それは健康危機に対する「それは問題ではない」態度に簡単につながる可能性があり、特に社会的距離を縮める可能性があるため、危険なメッセージです。
新型コロナウィルスに関する記事を読むと肥満、喫煙、高血圧持ちが多いと思いがちだが、この記事を書かれたタッパー氏によるとイギリスにおける一般の高齢者の持病の割合とCOVID-19で亡くなった方々の持病の割合は変わらないか、中国の論文を見るとむしろ少ないくらいではないかと主張されている。なにより、高齢者でもその年齢まで生き延びた方には十分な余命があるのだと。
これは、私には思い当たる節がある。以前、「少子高齢化」が強く意識されだした頃、ちょうどブログを始めた2004年に日本の将来人口のシュミレーションをExcelで作った。当時の日本は社会的流出入が少なかったので、数年に渡る人口動態を比べると各年代別の死亡率がわかり、生存率が計算できた。
この時のExcelファイルがスプレッドシートで読み込めたので、新たにグラフにし、説明を加えた。
説明を加えるまでもなく、厚労省はちゃんと発表している。
つまりは、死ぬべき命はないと。COVID-19をめぐる論議を見ていると、私自身も「こんなに経済で若い人が困窮すらならある程度の年齢の方にはよくよく『自粛』してもらって、それでもだめなら・・・」とつい想ってしまう。どの程度の死までは社会的に許容されるかという論に傾きがちだ。しかし、こうしたそれぞれの年代の「余命」を見るとそんな議論はあり得ないとわかる。置き去りにしてよい命はないからこそ、経済を犠牲にしてでもみんなで自粛しているのだと。
そうそう、4回くらい最後の30分ばかりを見た「ジョー・ブラックをよろしく」を初めて最初から最後まで見た。決められた命とは言え、最後まで真摯に、最後までがんばって生きたいものだ、命は大切だと改めて想った。そして、また与えられた命を精一杯生きることは、「終わりよければすべてよし」の道へとつながるのだと。
また、明日から仕事がんばろっと!
■追記
冷静に考えると、タッパー氏の「高齢者の余命」は健康年齢のことだと。
筋肉はすべてを解決する - HPO機密日誌