HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ウィズコロナ(個人的なメモ)

サトウヒロシさん*1のエントリーを何度も読み返している。私にとってなかなか難しい未来予測。

medium.com

ワクチンなどが開発され平衡状態に達するまで混乱は続くであろうことは予測に固くない。もしかすると、ワクチンの開発から復旧までの不均衡で大きな争いになるかもしれないとは考えている。

短期的にはナウシカの清浄な地を求めて大海嘯そのものよりも多くの人が争って死んだという予言が実現しかねない。それでも、様々な方のCovid19に対する対応を拝見して人間の理性を心から信頼したいと改めて想った。コロナウィルスそのものでは人類は死滅しない。しかし、医療リソースから食料までパニックが起これば人類の絶滅のリスクは高まる。「復活の日」で「世界は二度滅亡する」のは小松左京が人間の狂気の面を描きたかった、描かざるを得なかったのだ。

アフターコロナ - HPO機密日誌

以下、これからの予測を自分で納得するためにサトウさんのご指摘ポイントの一つひとつ個人的なメモとして記録しておきたい。

「都市封鎖は夏までつづく。収束させるまで続く。収束させた地域は鎖国する。」

これはおっしゃる通りだと思う。日本国内で「すら」この方の予想は正しいと。5月、6月がひとつの山。仮にそこを乗り越えても、この微妙な致死率のCovid19ウィルスはなかなか封じ込めも、弱毒化も進まない。そうすると、国内ですら二十鎖国というか、都道府県別に封鎖される可能性が出てくる。小説の「首都封鎖」の世界か?

首都感染 (講談社文庫)

首都感染 (講談社文庫)

「収束した地域はグリーン・ゾーンになるが、活動制限は続く」

レッドゾーン、グリーンゾーン、DMZ(中間地帯)と区分けされるとサトウさんは書かれている。抗体検査に期待をしている。もし実用化されれば、14日の「留め置き」を経ずに再度の国際的な人の往き来が再開できる。実際は、難しいのだろうか?今後の技術開発を踏まえて、14日隔離を続けなければならないのかどうか。今後の統計的調査を含めて予測が難しい。ゾーン分けの世界は世界を分断し、不安定化させるだろう。

www.technologyreview.jp

グリーン・ゾーンの中ですら3条件ビジネスは消える」

日本は3月中の感染抑制は良いペースで来たのが、三連休当たりから様子がおかしくなった。どうも、これはナイトビジネスのためらしい。今回の緊急事態宣言はナイトビジネスの三密対策で出されたくらいに想っている。これまた抗体検査など感染状態が開発されれば、証明書付でないと入店できない、入店しないなどの原則ができるのではないだろうか?あるいは、「未感染」、「感染済」のバッチをつけないと外を出歩けない未来はありえるかもしれない。人間の「三条件ビジネス」への欲望は尽きない。なんらかの「工夫」が生まれると考える。



「中華圏のグリーン・ゾーンが最初に出現するだろう」

くやしいけど事実だろう。そこでの日本の立ち位置がどうなるか。米軍の空母がコロナにやられている現在、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えて日本の軍事的、経済的立ち位置の選択が今後重要になってくる。抗体検査うんぬんと矛盾するかもしれないが、船舶のコストはかなり増加するのではないだろうか?

おりしも、武漢の交通が再開され、なんと日本を含む世界中への第二波攻撃を中国は始めてしまったようだ。

ありうる未来として、中国が世界中から差別、攻撃を受ける可能性はある。それが分かっているからこのタイミングでの武漢閉鎖解除だろうし、他国からの攻撃を赦さない強気の姿勢なのだろう。中国が優勢となる未来には住みたくないとしみじみ想うのだが。

「ワクチンの登場までこの状態が数年〜長期続く」

ビル・ゲイツ氏に強く期待した。安倍首相も年末から来年とおっしゃっていた。ワクチン開発まではピークをすぎても社会的ネットワークの端からまたブラックスワン的に大感染は起こるだろう。「清浄の地」、ワクチン供給をめぐっては本当にCovid19で死んだ人以上に死人がでるかもしれない。

hpo.hatenablog.com

私が注目しているのは1957年の感染。3シーズン続いたと。今回も「平衡状態」に戻るまでそれくらいかかる可能性がある。

hpo.hatenablog.com

それでも、歴史をひもとけば、過去のパンデミックはその時代、その時代に大きなインパクトを与えたにせよ、歴史から見れば連続的に続いているように見える。私自身がスペイン風邪がなかったら存在していなかったと知って以来、パンデミック自体が不連続の歴史を生むとは思えない。ただし、中国がこれ以上悪用をしない限りとは限定を付けておきたい。




「人々は、この新しい世界に適応する必要がある」

ウィズコロナからアフターコロナへと、そもそも移行できるかどうか、いや、なんとしても移行しないと世界経済がおかしくなり、グローバルな協力関係、世界的爆発的な信用収縮になってしまうだろう。適応できなければ、自分が死ぬか、人類が大幅に数を減らすか、文明自体が退行するかしかない。誰も死にたくはないし、19世紀の経済規模まで戻りたいという人もいないだろう。

まだ、未消化だ。サトウさんに大変失礼だと考えが一旦アップして、また考えたい。Covid19とプライバシーの問題は改めて考えたい。

hpo.hatenablog.com

■波状感染拡大が続くのか? 2020/4/11 追記

ある知り合いから大変示唆に富む記事をご紹介いただいた。

medium.com

大変理にかなったこの記事によれば、医療崩壊をさけるためには、終息するまでは何度かの緊急事態宣言、外出等の制限を繰り返さざるを得ないだろうということだった。さもなければ緊急事態宣言発令中に検査を徹底して、感染者検出を徹底してやるしかないと。

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https://bit.ly/3aZIxkt

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https://bit.ly/3aZIxkt


一方、国立感染研究所の調査によると516例の感染者のうち、入院した症例は次のようであったと。

入院開始日と退院日ともに判明している226例における入院期間の平均値(標準偏差)は16.6日(±7.9日)であった。死亡者の基礎疾患としては、糖尿病4例、悪性新生物3例、高血圧2例、脳・心血管疾患2例等であった(重複あり)。

感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例516例の記述疫学(2020年3月23日現在)

つまりは、今後一週間程度で二倍というペースで感染者が増えていった場合、仮に軽症者を病院以外で収容したとしても、ほぼ病床は足りなくなるだろう。多くの方が指摘されているようにまもなく感染者は1万人を超える。保健所もクラスター叩きの努力を続けているようには見えない。「集団感染」への対応でいっぱいになっているように見える。

考えてみれば、風邪の特効薬も存在せず、SARSのワクチンも開発されたとは聞かない。インフルエンザワクチンも感染しないというよりは、症状が重くならない程度だ。「ウィズコロナ」でしばらくはこの状況に耐えるしかないのか、疾病で迎える死と経済で迎える死のバランスをとると決断するのか。サトウさんのご指摘のような「ゾーン」に分かれた新しい現実、ニューノーマルの到来なのか?

*1:一方的なFollow関係なので、「さん」づけでよいのか迷っています。失礼だという指摘があったら変えます。