昨日は、キャッシュレス化の肝は給与のポイント支給だというエントリーを書いた。実は、財務省がキャッシュレス化を進めなければならない事情が厳然と存在する。インボイスの導入だ。
本来誰が考えても、軽減税率の導入の「前提」としてインボイス方式がなければならない。そうでなければ、仕入れにおける積み上がってきた消費税額が明確にはならない。これまでも土地や、住居系の家賃など非課税の売上が存在したわけで、仮受・仮払い消費税というくくりでは会計できない状態ではあった。
インボイス方式は商習慣として組み込まれていれば対応可能だったかもしれないが、消費税は導入したもののインボイスなしという状況で30年あまりが経過してしまった今、紙の伝票によるインボイス経理は不可能に近い。有りうるとすれば、主要な取引のほとんどが電子化、キャッシュレス化されアプリの上で複雑なインボイスを扱うように対応することだけだと財務省は認識しているのだと私は想う。そうでなければ、財政規律を最優先で思考する財務省が公明党案の軽減税率を是とするはずがない。
企業側からしても、直接の電子化、自動化された金銭のやり取り、契約さえも電子契約化していかなければならない課題があるのも明白。
ここまでブラックボックス化し、手でさわれないところで、会計、課税が進んだ時の金銭感覚がどうなるのか私は不安でしかたがない。