ものすごく面白かった。人間の生物としての生殖活動とはこういうものなのかと思い知らされた。また、生物学、遺伝子から見た日本人の「生殖」の評価にも大変共感した。
- 作者: 中野信子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/07/20
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
現代の日本が取り入れるのは、やはりフランスの大人の恋愛、生殖感。
婚外子を認めて人口増に成功したフランス
少子化対策という点からしても、恋愛や結婚に頼らずに生殖を増やす方法を国家レベル で考えていく方が効率的です。
たとえばフランスは、婚外子への差別をなくすことによって出生率を高め、非常に成功していることでも知られています。すでにフランスでは新生児の5割以上が婚外子です。 法的に婚外子を認めただけではありません。3歳になるとみな保育学校に入学できる(フランスでは3歳以降は日本で言う「待機児童問題」が存在しない)、拒んだ雇い主には罰金が科せられる産休を男女ともに法制化、妊婦は基本的に医療費ゼロ負担・・・・・・、といった施策を組み合わせて、産みやすく、育てやすい社会づくりを進めてきたからです。
その結果、1994年に1.66にまで下がった出生率が、2010年には200ま で回復しました。
婚外子の割合はフランス以外の西欧諸国でも増えており、イギリスでも5割に近づいています。規律に厳しいイメージのあるドイツでさえ、すでに婚外子は3割を突破しました。 ノルウェー、スウェーデンなど北欧諸国も婚外子が5割を超えています。
(中略)
単なる理屈ではなく、実態としても「生殖と結婚は一体のものではない」のです。不倫は、セックスと恋愛を享受するためのものですが、日本では、そこから生殖への道にはつながりません。これは人々の価値観だけが変わってもどうにもなりません。たとえ不倫相手の子どもであっても産んでいい、育てていいという社会をつくるのは、政治の役割です。社会と政治が協働して、恋愛、結婚、生殖のバランスを変えていくことは、不可能ではありません。
無理に「生殖」して子孫を残せと主張するつもりもないが、現代日本人の恋愛至上主義による「自滅」はあまりにひどい。もう少しいろいろな恋愛の在り方、結婚の在り方、子供のもうけ方を容認すべきであると私は思う。
まあ、人口減少もようやく負の側面ばかりではなく、「楽しむ」方向にも評価されだしているようだ。都心の高くて狭いけど便利な住居と、否かの安くて広くて子育てできる住居の「デュアル」ライフを楽しむ方々が出てきたと。一人あたりの住居面積がなんらかの方法で倍増することが景気対策、空き家対策にもなり、今後の日本のライフスタイルを豊かにすると私は思う。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181217/k10011750081000.htmlwww3.nhk.or.jp*1
まあ、住まいの問題を含めて男と女は悲喜こもごもが面白いのかもしれない。
*1:絶賛魚拓募集中。 b.hatena.ne.jp
NHKの報道の元ネタは多分リクルート。suumo.jp