サイボウズの青野CEOの夫婦別姓訴訟について、興味をもってツイットした。いろいろと勉強になった。
青野さんは、旧姓の「青野」で経営者としての信頼を築き、サイボウズは2000年に東証マザーズ上場。翌01年の結婚時に妻の姓を選択してからも旧姓を通称として使ってきた。しかし、所有していた株式の名義を戸籍上の姓に書き換えるのに約300万円を要した。「働き方が多様になった方が働きやすくなるのと同じで、姓も選択できる方が生きやすさにつながるはず」と訴える。
<夫婦別姓>サイボウズ社長「選択できず不利益」国を提訴へ (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
優秀な青野さんのことだから、勝てるとは想っていないだろう。それでも、問題提起することにポイントがあると判断して訴訟に踏みきったのだと受け止めている。現在の法律では結婚の時に「姓」を選べるので、逆に言えば奥さん側は自分の姓にすることでメリットがあったはずだ。名字を変えたことによる「損害」は奥さんの受けたメリットで相殺されると解されるべきだと私は想う。そもそも、この訴訟で勝ってしまったら、全国ありとあらゆるところで姓の変更による訴訟が続発するだろう。
そんな中で、この方のツイットにコメントさせていただいた。
名前にこだわっているのではないよ。名前が変わる際の手続き(銀行、交通免許、パスポート、クレジットカード、JALカード、職場の名前等)が非常に面倒で労力がかかる上に、日本ではその負担が大体女性(ただでさえ多忙)にかかりがちな上に夫婦が「絶対に同じ姓であるべき」理由が不透明だからだよ。 https://t.co/K2blUEeOBG
— スプツニ子!/Sputniko! (@5putniko) 2017年11月9日
そこからツイッター上でやりとりをさせていただいた。その過程をまとめた。
私は自他共に認める保守だが、その本丸であるはずの結婚制度がひとつしかないことはもったいないことだと想っている。いまの婚姻制度はそのままにして、別姓のままで一緒の家庭を築く道、同性であっても人生のパートナーとして歩む道を用意してよいのではないだろうか?
そう思うようになった原因のひとつは、自分の人生を思い起こして。もうひとつは、台湾の特殊出生率を見てから。日本も人のことはいえないが、あまりに低い。大陸の中国を除いて儒教国は総じて出生率が低い。あ、違うか、大陸の中国は儒教国ではなかった。これは保守的な価値感にこだわるあまり、若者の自由を奪いすぎているからではないだろうか?性的嗜好や、さまざまな生活スタイルに応じて婚姻、パートナー、子供の出産、育児、養育の方法は選べていいと想う。
世界の合計特殊出生率 国別ランキング・推移 - Global Note
で、なにがすごいって事実婚。この議論の中でおしえていただいた。
ひろっぺ@シン・十四松・フレンズ @hiroppe3rd 1日前
http://www.franceplusplus.com/2016/10/jijitukon/ ん~ 日本の事実婚のほうに軍配が上がるようですね。日本の事実婚。手続きは、同棲し生計を共有している(通帳など)ことを証明するだけで住む。社会保険上で扶養家族としてみなされ年金がまとめられ控除も受けられる。ただし税制上は個別になる。子供は認知すればよい。相続なども手続きは可能。姓はそのまま。 十分だな
ということで、実は日本はすでに法的には選択の自由をフランス以上に与えられている国だと。あとは価値感、社会的通念をかえることだけなのだと。本当にびっくりした結論。
保守として、婚姻制度の多様性を認めるのなら、同時に堕胎は禁止されるべきだとは主張しておく。