ちょっと煽りすぎのきらいはあるが、「選択」2月号のトップ記事は大変読み応えがあった。小見出しを羅列するだけでも、伝わるものがある。
- 日米韓同盟「空洞化」の代償
- 韓国の「軍事的解体」を招く事態
- 敵対国の順序が狂ってしまった
- アジア広域で核拡散の危機
- 米国の「台湾シフト」が鮮明に
かいつまんで自分が理解できた範囲で書けば、レーダー照射事件など韓国で現在起こっている日米離れ、そして、親北朝鮮の流れは東アジアの軍事バランスを大きく揺るがすところまで来ているとなる。その結果として、「アジア広域で核拡散の危機」が有りうると。この「核拡散」には日本の核武装も含まれる。これは笑い飛ばせる事態ではない。
ちょっと、ツイットを調べただけでも朝鮮日報が「周辺の国々で核武装の機運が高まっている中、韓国も核武装しない手はない」という記事を載せている。なんと「韓国も核を持とう」というタイトルの記事だ。
韓国では核武装はしょっちゅう議論されるが、文在寅政権の融和方針や在韓米軍駐留経費負担(98億円程度)を巡って米国と揉めているのを見て、さらに切迫感が高まっている模様。日本の核武装可能性についても言及。【コラム】韓国も核を持とう | https://t.co/wO0nCuS48r AMP https://t.co/lTWeiCJj9P
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) February 1, 2019
韓国も、核兵器を保有する問題を深く検討すべきときになった。米国が北朝鮮の非核化に失敗し、北朝鮮が事実上の核保有国になったら、日本とて黙っているはずがない。日本も核を持つ状況が来る。そうなったら、北東アジアは中国・日本・ロシア・北朝鮮の4カ国いずれも核保有国になり、唯一韓国だけが核を持たない、寄る辺の無い身になる。
【コラム】韓国も核を持とう-Chosun online 朝鮮日報
著者の名前が「金大中」とあり、ありゃ亡霊か?といぶかしんだが、れっきとした朝鮮日報の「顧問」。浅はかな考えのもとに書かれた記事ではない。
金大中(キム・デジュン、1939年9月3日 - )は大韓民国の新聞社、朝鮮日報の顧問。ソウル大学校を卒業後、1965年に朝鮮日報に入社。代表的筆陣として活躍した。2004年11月に朝鮮日報の顧問になった。
金大中 (新聞記者) - Wikipedia
同じ「選択」に「韓国三・一運動百周年の反日暴走」と第する記事がある。文在寅大統領の心象風景が伺われる。
文大統領が朴正煕大統領の軍事政権の系譜とみなす保守の李明博、朴槿恵の両政権を(就任以来掲げている「長年積もった悪弊の精算」を意味する)積弊の対象としているのは、軍事政権時代の民主化闘争で逮捕、投獄された経験のある文大統領と側近たちにとって自らの正義と正当性を証明すために必要な”もう一つの民主化闘争”なのだ。
韓国大統領府で外交分野の諮問団に加わっている有識者の一人は「文大統領には、日本とのつながり、原体験がほとんどない。頭で考える日本、つまり理念的な存在なので」と指摘、「過去百年はこうあるべきだったという歴史感覚が、日本にそのまま適用されている」と解説する。
文大統領の生い立ちからすれば、そうなのかもしれない。それこそ日本とは切っても切りはせない金大中元大統領とは異質だ。
文在寅(ムン・ジェイン、日本語読み: ぶんざいいん[8]、韓国語: 문재인、1953年1月24日[9] - )は、韓国の政治家、弁護士、市民活動家。第19代大統領。両親は共に朝鮮民主主義人民共和国からの避難民(移民)である。
弁護士として市民運動や人権運動に参加した後、盧武鉉政権で大統領側近として活躍した。その後、国会議員に当選、新政治民主連合代表や共に民主党代表を務めた。2012年12月19日の大統領選挙では朴槿恵に惜敗したが、朴槿恵の弾劾・罷免に伴う2017年5月9日の大統領選挙で当選し、同年5月10日に大統領に就任して在任中。
文在寅 - Wikipedia
かなり先行きは厳しい。中国の先行きも米中経済戦争と言われるほど厳しい中、日本は本当に安穏とはしていられない。安全保障分野での手当は当然必要となるが、経済的な関係の深い両国が「浮遊」していく中、日本の景気も影響を受けないではいられない。
ところで、なんで「選択」誌はゴーン氏の記事が載らないのだろうか?
いつも大変興味深く拝読しております。一月号力入ってますね。表紙から裏表紙までひとつも飽きずにすみずみ読ませていただきました。不思議なのは当然取り上げられると思っていたゴーン氏関係の記事がひとつもなかったことです。強いて言えば編集後記だけ。
— ひでき (@hidekih) January 4, 2019