HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

超知性

AIの「シンギュラリティ」が日々話題になる時代が来るとは全く思っていなかった。幸せなSF少年だった私には、現在の議論に触れる度にJ.P.ホーガンの「未来の二つの顔」を思い出す。

人類と人工知能が敵対したときに、どちらが最終的に支配権を確保できるかを確認するために、ダイアー博士は人類社会から物理的にも電子的にも切り離されたトーラス型スペースコロニーで、実験を行うことを提案する。

未来の二つの顔 - Wikipedia

この作品が発表されたのは、1979年。ちょうど「機動戦士ガンダム」のテレビ放映が始まった年だ。もっとも、翻訳が創元推理文庫から出たのは1983年。ガンダムでも舞台となった「トーラス型スペースコロニー」が非常に鮮明にイメージできたことを覚えている。

大規模なAI、スパルタカスが驚異的な進歩を見せる一方、ダイアー博士は自分の研究室でもっと基礎的なAIによる「もの」の認識をさせていたように記憶する。私が言うまでもない話しだが、AIの応用的な研究、実用化とともに、新生児がいかにものの認識を学ぶのか、世界を学ぶのか、基礎的な研究が並行して進められることが大切ではないかと思えてならない。本作のAI推論システムがそうであるように、一旦世界認識をAIが実現すれば平行展開、一般化が一気に進むだろう。超知性のヒントは人間の認知機能研究の側にあるように思うのだが、いかが?現在の力任せのAI研究からは「スパルタカス」は生まれない。


■追記

分かる人にはわかってほしい。とうとうここまで来たAIという感じ。

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