HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

誰がグレタさんに石を投げられるのか?

あまりに攻撃的な国連スピーチにグレタさんへの背景への詮索や、非難めいた言動が続いている。しかし、誰が彼女の憂慮を責めることができるのだろうか?

gobrintan.hatenablog.com

それでも、私が彼女の発言に共感を持った。それは、我々が第六の大絶滅の鳥羽口にいること、そして、永遠に続く経済成長はおとぎ話であるということの2点。

ちょうど人類絶滅の7つの可能性について書かれている記事を読んだ。いろいろ議論のあるところだが、人類が絶滅するとすれば、いまのところこの7つのうちの一つである可能性が高いと想える。レベルの設定にも議論があるが、7つのうちで地球温暖化は人類のテクノロジーと倫理で制御可能である可能性は高い。*1

  1. 地球温暖化 世界の終わりレベル:3
  2. 人工知能の台頭 世界の終わりレベル:6
  3. 病気 世界の終わりレベル:2
  4. 安全でない食事 世界の終わりレベル:3
  5. 小惑星の衝突 世界の終わりレベル:2
  6. 火山の噴火 世界の終わりレベル:6
  7. 宇宙人の侵略 世界の終わりレベル:未知数
人類絶滅へ導く7つのトリガー、そのとき人類は生存できるのか考察(エスクァイア) - Yahoo!ニュース

これは次の「永遠に続く経済成長」問題にもつながるのだが、現在の安定と幸福を犠牲にしても人類のより長期間にわたる生存に舵を切るのか全人類の問題ではないだろうか?「エンドゲーム」につながるサノスの選択は実は全人類の選択の問題でもある。

サンゴから両生類にいたるまで、多くの生物にとって物事が悪化しつつあるとほとんどの生態学者は認めています。Dunne氏は、サノスが起こした大惨事は私たち自身が引き起こしていることほどひどくはないだろうと考えています。「現在の生物多様性の危機は考えるのも痛ましいほど」と言い、動物の生息数はほとんどの場合、人間の活動によって残酷にも絶滅に向かっていると付け加えています。

サノスが本当に生命体を半分にしてしまったら地球はどうなるの? | ギズモード・ジャパン

私は以前からいまだに地球外の文明とのコンタクトが果たせない、宇宙の沈黙は文明というもののもつ不可避な絶滅という運命を明瞭に答えているように思えてならない。

hpo.hatenablog.com

もし「経済成長(と経済成長を可能とする科学技術の進歩)」が永遠に続くのであれば、電波を超える通信手段や、光の速度を超える移動手段、あるいは少なくとも恒星そのものを文明のエネルギー源にしてしまう技術が既に銀河系のどこかで開発されていてしかるべきだ。しかし、いずれの片鱗も私達は見いだせていない。あるいは、私達はそうした文明に見いだされていない。ほかにもいくらでも論考の余地はあるが、私達の経済成長は永遠でないのは明らかであろう。

政治的な背景など追求すべきことがらはあるが*2、私は一体いま現存している人類の中で誰が彼女を責められるのか、誰が彼女を笑えるのか、はなはだ自分自身が裸の王様であることは謙虚に自覚すべきだと想う。

彼女は子供でした。私たちは皇帝でした。

そして私たちはみんな裸でした。

グレタさんはCO2が見えない

*1:ここで議論はしないが、人工知能研究が本当に人類の絶滅と関係してくるのはまだはるか先。現在の人工知能研究ではいわゆるシンギュラリティは絶対に生じない。
超知性 - HPO機密日誌

*2:「彼女はこれだけ世界の環境について訴えているのに、中国に関してはノーコメント。中国は今世界で1位か2位を争うほどの環境汚染国なのに彼女は中国に関して発言せずにアメリカばかりに批判するのはなんでだろう?大人の都合?」
スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)には恐怖しかない - ミニマリストになりたいコミュ障アラサー腐女子