HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

誰も管理職になんかなりたくない

前にモデル賃金のエクセルを公開した。賃金モデルをつくると、管理職に入りたくなくなる「壁」があることに気づく。

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このモデル賃金は本給だけしか扱っていない。そして、30代半ばでの管理職昇進を仮定している。この時点で、本給月額27万円とする。これでも、エントリーを見てもらえればわかるが、年収500万円弱となる。月の所定内労働時間を仮に、175時間とする。そうすると、27万円÷175時間✕1.25=1928円/時間となる。月30時間の残業で57,857円、40時間で77,120円となる。このレベルの残業が常態化していれば、管理職手当の係長と課長で6万から8万円程度差がなければならないことになる。係長手当が3〜4万だとすると、課長手当で約10〜12万円必要となる。なかなかこれだけの課長職の管理職手当をつけられない。現実には、係長クラスから課長になって月給の手取りが減る人は多いのではないだろうか?責任も増え、手取りも減るのだとすれば、誰も管理職にはなりたくなくなる。昔のように、「俺はこの会社の社長になってやる!」という殊勝な野望を描く若者がいなくなる理由はこんなところにもある。

政府の働き方改革裁量労働制だが、もう普通にいろいろな会社が取り組んでいて、それをどちらかというと労働者側の負担になりすぎないように規制をかけるのが今回の趣旨のように想うのだが違うのだろうか?高度な技能を要求される仕事ほど、時間よりも成果に焦点をあてて給与が決められるのは当たり前ではないかと想う。上記の係長までと課長クラスが違うのは、日給月給制と月給月給制だと私は聞いた。係長までは時間で給与が決まるが、課長クラス以上は成果に対して給与が払われるのだと。1日も会社に来なくても、部下をマネジメントして、会社の経営目標を達成しているのなら、会社はよろこんでその課長=マネージャーに給与を払うだろう。課長職が重要なのは、マネージャー、managementを実現する人になるからなのだと私は信じる。