HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

中国の顔認証技術と9.11テロ

日本経済新聞の記事を読んでのけぞった。

 精度の高い顔認証アルゴリズムにはディープラーニングが使われているため、このシステムを学習させる大量のデータが必要になる。中国は17年、13億人の国民を数秒で特定できる巨大な顔認証データベースを構築した。90%の精度を達成するのが目標だ。

中国、顔認証技術大国の光と闇 13億人を特定 :日本経済新聞

なにが恐ろしいって、テクノロジーの恩恵が民主主義社会だけでなく、独裁国家にももたらされること。これはまさに"Person of Interest"の現実化だ。"Person of Interest"は、9.11をきっかけにテロ対策のために米国においてすべてデータがひとつの「マシン」によって分析されるようになったという仮定にもとづいて作られている。このドラマをひとつのシミュレーションとして見れば、民主主義の国ですら全国民の顔認証とライブカメラ、そしてAIが組み合わさるとどれだけ恐ろしいことになるかをよくわからせてくれる。

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顔認証テクノロジーは確かに恐ろしい。日本のある巨大施設の話しを聞いた。ニュースで、テロ対策で顔認証ライブカメラを実験導入したと聞いていたので、その後どうですかと関係者に聞いた。すると、顔認証があまりに正確すぎて、テロに関わる容疑者だけでなくすべての個人がその施設のどこにいるのか特定できてしまうのだと。あまりにすごすぎて、プライバシーに関わりかねないので発表できないのだと。

開発独裁はさすがにかげりが見え始めているが、テクノロジーによる独裁がどのような結果になるか、想像するだけで恐ろしい。中国に民主革命が起こってほしいと心から祈る気持ちだ。