HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

SONYのビッグデータ分析は二部グラフで

SUICAを含むfelicaのデータを使ったビッグデータの提供という大胆な話題がリリースされていた。

 ソニービッグデータ分野への参入にあわせ、新しい情報管理システムを開発した。フェリカの現行方式では管理システムが名前などの個人情報と購買履歴など利用データを一体で保存するが、新しい仕組みでは個人情報と利用データを分離し、管理システムに個人情報を残さない。購買履歴など分析に使う情報だけを取り出すことで個人情報保護に配慮した。

:日本経済新聞

「新方式」とあるが、これは要はfelicaの利用データを時系列のデータとしてとらえるのではなく、二部グラフとして抽象化するといってもいいのではないだろうか?記事にある薬品の例で言えば、購買した薬品のネットワークと、顧客自体のネットワークとしてとらえるということだ。処方、利用の仕方によって薬品は薬品独自のネットワークとしてとらえられる。顧客はそれぞれの属性に応じたネットワークを持つ。そして、時系列データは省略してしまった上で、それぞれの顧客の薬品利用をつなげば二部グラフとなる。

2部グラフ

これは、以前脇で拝見させていただ森祐治さん、柴田尚樹さんらのmixiのネットワーク分析と同じだ。ちなみに今ウェブで検索して詳細まで読めるのは、安田雪さんの論文だった。

拡大するSNS 凝縮する世界 −SNSのネットワーク構造− (9:20-12:00) 1件約35分、パネル約30分

本セッションは、最近着目を集めているmixiGREEなどのSNSソーシャルネットワーキングサービス)についての特別セッションです。SNSが織り成すネットワーク構造を分析する研究を3件、およびSNSの現状や今後について議論するパネルを行います。パネルには、各研究の発表者に加え、mixiを運営する(株)イー・マーキュリーから代表取締役の笠原氏をお迎えする予定です。

「社会ネットワークサービスを基盤とした情報流通シミュレーションに向けて」
  森 祐治(早稲田大学/株式会社シンク)、内田誠(東京大学)、柴田尚樹(東京大学)  
SNSにおける関係形成原理 --人は誰も孤島にあらず--」
  安田 雪*1*3、松尾 豊*2*3、濱崎 雅弘*2(*1 東京大学、*2 産業技術総合研究所 *3 GBRC社会ネットワーク研究所)
「SNSにおける人のネットワーク構造 --その地平線の超え方--」
  湯田 聴夫(ATR・京都大学大学院)、藤原 義久(ATR)

Webが生み出す関係構造と社会ネットワーク分析 ワークショップ

やっぱり、世の中マッハの原理。

ネットワークにおいて、あるノードが果たす役割は、そのノードと同じ瞬間にリンクしている他の全てのノードとの関係によって、またそれによってのみ決定される。ノードは、他のノードとの関係においてのみある役割を持つのであって、単独で存在するノードには意味がない。

対話、ネットワーク、そしてマッハの原理 Mach!: HPO:個人的な意見 ココログ版