SWさんから「べき乗病」と読んでいただいた。そう、たぶん私はべき乗病なのだろう。なにを見ても、読んでも、べき乗則を連想してしまう。特に最近は読む本、読む本、みんなべき乗則につなげてしまう。
- 作者: ベノワ・B・マンデルブロ,リチャード・L・ハドソン,高安秀樹,雨宮絵理,高安美佐子,冨永義治,山崎和子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/06/06
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- 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛
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- 作者: Nassim Nicholas Taleb
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最近では、ファイナンスの世界でも「テール・リスク」というらしい。ブラック=ショールズで近似可能な部分だけを便利だからと温存して、べき分布の極端な部分だけを別の形で「保険」しようという考え方らしい。
- 極値理論による資産価格変動のテールリスク分析 (PDF)
ま、それはともかく...
リンクが安価になり、そして「アンリンク」も含めた「繋ぎ直し」がやりやすくなったことで、「繋がる」ことの意味は質的にも変わったのである。「手持ちのリンクがしょぼい」は、もはやいいわけにならなくなった。それを繋ぎ直すのは今やあまりに容易なのだから。
404 Blog Not Found:難認簡接型社会「日本2.0」へようこそ
Danさんは意識して書いていらっしゃるのだろうけど、これはそのままスケールフリーネットワークの定義そのものだ。
1. m 個のノードからなる完全グラフ Kmをスタートとする。
複雑ネットワーク - Wikipedia
2. 新しいノードを1個追加する。そのノードから、すでに存在している m 個のノードに対してエッジを張る。このとき、エッジが張られる確率は、それぞれのノードのその時点での次数 k に比例するものとする。
3. 2を、ノードが所定の数になるまで繰り返す。
そして、スケールフリーネットワークは、べき乗則性を示すことが知られている。
数学的には、スケールフリー性はノードが次数 k を持つ確率 p(k) の確率分布が p(k) ∝ k-γ のべき乗則になると表現される[4]。
複雑ネットワーク - Wikipedia
一言でいってしまえば「つなぎかえ」が自由な世界とは、"winner takes all."なのだ。*2 *3
*1:あ、これはまだこれから読む、はず。
*2:マンキューが書いているように現代に生きる人々は、一昔前の大富豪でも手に入れられないほど快適な生活を送っているのは間違いない。鉄鋼王と言われた人物でも、いまにようなクーラーは知らなかった。ほんの百年前には、いまの軽自動車で出せるスピードが車に出せるか、運転手が窒息しないか議論していたそうだ。100年前に年金制度がこれだけ行き渡っていたとは聞いたことがない。すくなくともDanさんちみたいな摩天楼にフツーの人が住んだり、遊びにいけるようになるとはだれも思っていなかっただろう。しかし、問題なのは、人は常に相対的に自分を見る。社会的に成功した人と自分を比べて自分はみじめだ、不幸だと言いたくなる。それが悪いとは言うつもりはない、私だってそうだ。私にできるのはせいぜいやせがまんをすることぐらいだろう。
*3:あ、そうそうあと伴侶を手に入れられるかどうかも、実は相対的なものにすぎない。考えてみれば、ついこの間まで強制的な見合い結婚しか日本には存在しなかった。私の祖父は「恋愛など...けがらわしい!」と母にどなりつけたのだと聞いている。もちょっと前には「男女七つにして席を同じくせず」と言われたらしい。父方の祖母からはそう聞いている。Danさんの奥様のような素晴らしい伴侶を得るのは難しいかもしれないが、そのころから比べれば現代ははるかに男女の「つながり」を得やすくなっている...だが、例によって自由になればなるほどスケールフリー性、べき乗則が働き、人の平等を求めるこころは刺激されまくる。