「マンキュー経済学(マクロ編)」を読んだ。大変ためになった。
- 作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,小川英治,中馬宏之,石川城太,地主敏樹
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 63回
- この商品を含むブログ (48件) を見る
読む前には、分厚くて、重くて、その分量に圧倒されてしまうが、読み始めると案外読みやすかった。ある勉強会に持っていったら、席をはずしているうちに意図せず参加者の間で回されてしまった。ぺらぺらとページをめくっただけで大方理解されていらっしゃる方がいたようだ。
特に、インフレの社会的なコストについて、靴底を減らすコストとメニューを書き換えるコストなのだと言っていることが懐かしく感じた。econのクラスで、中国系のDr. Chinloy*1が「君たちインフレの弊害はなにかわかるかね?」と質問をされた。いつもあまり反応の薄いpart time、ということは夜間コースの教室が様々な意見であふれた。「いやいや、わかってないね。インフレで困るのはメニューコストくらいなもんだよ」といつもの中国語なまりの英語でお答えになった。それから2週間くらはインフレの弊害が実は一般の人が思っているよりも少ないのだという説明をしてくださった。
その意味では、高橋さんが日銀はインフレを恐れるあまりハイパワードマネーを供給していないのには意味が薄いという旨の記述をされているのは、正しいのではないだろうか?巻末の「未解決の5つの問題」*2にも中央銀行の金融政策とインフレの問題についてはかなり触れていた。
- 作者: 高橋洋一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 単行本
- 購入: 18人 クリック: 545回
- この商品を含むブログ (146件) を見る
■追記
メニューコストの意味がよくわかった。池田先生、ありがとうございます!
つまり個々の企業にとっては、雇用調整のコストが大きいと現状維持したほうがいいのだが、それによって値下げで需要が増え、所得も増える(調整コストよりはるかに大きい)社会的な利益(B+C)が失われる。いいかえると、規制によって調整コストを高めることは、価格の硬直性をまねいて社会的に大きな(負の)外部性を及ぼすのだ。
指定されたページがみつかりませんでした - goo ブログ
*1:おなつかしい! - Peter Chinloy
*2:だったかな?