HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

色事師

今年の風邪は喉から来るそうで、ごたぶんにもれず私も風邪の引き始めで体調は最悪。それでも、「ワイルド・ソウル」を読み終えるまでは、眠れなかった。

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)

ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)

「貴子」が出てから、俄然テンションがあがった。彼女の存在が、小説としての「ワイルド・ソウル」に別の次元の深みを加えている。ラテン系のラテン系らしさを見事に描いている。

いいセックスの出てくる小説を読むと、つい自分もいい男で、いいセックスができるような気がしてくる。いや、私のような凡人をしてそう思わせる力があるからこそ、いい小説と言えるのか。

四十代になったからそう思うのか、いいセックスは後をひく。もうこの女としかセックスできないと想わせる、らしい。少なくとも、ケイは貴子とのいいセックスのために命を賭けた。その気持ちがよく分かる。

いいセックスとはきっと身体だけではないのだろう。気持ち、情熱、からだのにおい、汗、状況・・・、すべてなのだろう。