HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「城の中の城」

ブログのネタに詰まってずいぶん昔の書きかけを見つけた。

もう筋も覚えていないが、読んだときは別世界のことだと思っていた。

城の中の城 (新潮文庫)

城の中の城 (新潮文庫)

案外、夫婦という「城」の中でそれぞれが別の「城」に住まってしまっていることが多いのだと最近実感している。

「城の中の城」は、夫婦のあり方を倉橋由美子が問うた物語だ。ある程度までは、倉橋自身の家庭生活を反映しているのだろう。

今日、たまたま「屋根の上のバイオリン弾き」を見た。何度も見ているが、テビエとゴールダの「愛している?」と問いかけ合うシーンが印象的だった。25年間けんかもし、生活も共にし、子どもも育ち、それでも一緒に暮らすのは愛があるからだと。

屋根の上のバイオリン弾き [DVD]

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「城の中の城」状態でも、共にならびたっているだけで素晴らしい。男と女が生活を共にしてくのは並大抵のことではない。並大抵のことではないだけに、ごく普通の日常こそが幸せであったのだと今更ながらに思う。

人生の後半生で願うのは子どもの幸せばかり。