HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「愛がなくても喰ってゆけます。」

ずいぶん前に本書にはまった。ほんの1つ、2つだが本書に取り上げられている実際のレストランにも足を運ぶことができた。

愛がなくても喰ってゆけます。

愛がなくても喰ってゆけます。

食欲と幸福感が密接な関係なのだと痛感させられる内容だった。「これおいしいよね?」「うんうん!」と語り合いながら気の合う相手と食べる食事ほど幸せなことはない。セックスよりも習慣性が高いかもしれない。まして、よしながふみ氏の盛りに盛られた漫画で展開されると「生きるために食べるのでは、食べるために生きるのだ」という主張が真実ではないかとさえ感じられる。タイトルの「愛がなくても喰ってゆけます。」は、いわゆる性的でも、家族として支え合うのでもなく、食を共にする男女の喜びを如実に現している。

一般的には、食に過剰に走らないことこそが世間的な幸福の形なのだとは以前考えた。

それが男であれ、仕事のやりがいであれ、子育てであれ、一生懸命満足を感じられるものごとがあれば、食べ物には走らない。食べ物に走るのは、女性のラストリゾートなのだ。体重が増える、増えないを気にするのは、食べ物以外に幸せを感じるものがあるかどうかが如実に現れるからではないか。 女性は自分でそのことをよく知っている。太らない自分を魅せつけるのは、自分は満足しているだよ、幸せなんだよと示したいから。食べ物に走ってないよ、太らないよ、とほかの女性に見せたいのではないだろうか?

女性が体重を気にするのは、幸せのバロメーターだからかな? - HPO機密日誌

しばらく前からなぜか私の書棚から本書が消えていた。それが、あるところでひょっこりと見つかった。私が貸し出したのかも知れない。貸した相手は食事と仲間としていて幸せだったのかなとぼんやりと考えている。