琉球王国の滅亡、琉球処分に至る激動の沖縄が見事に描かれていた。原作版では候文、英語、和歌から琉球の「琉歌」などが見事に組み合わさっている。源氏物語に匹敵する総合文学を形成していると言えるのではないだろう?これらはすべて池上永一さんが書かれたのだろうか?それとも、伝承していた文学的遺産を利用して書いたのだろうか?
NHKのTV版は全く別物と捉えるべきなのかもしれまない。文学的な複合要素がなかった。ドラマとしてまとまるべく「再話」された感じ。原作、テレビ版ともに仲間由紀恵演じる主人公以外はかなり実在の人物が入っているのも興味深い。
先日再放送があったのに、肝心の最終話だけ見逃してしまったのが痛恨。ネタバレはしないが、原作版のエンディングには違和感を感じた。これは池上氏の別の小説につながる描き方だったのだろうか?テレビ版はどのような終わり方だったのだろうか?
琉球王朝から沖縄に続く、伝統芸能と芸術がいかに江戸時代の薩摩藩、中国の冊封体制の二重支配に役立っていたか、その外交のすばらしさは以前から感じていた。
更には琉球王国の終わりについても一通りは認識していたつもりだったが、やはりドラマ仕立てになると全然印象が違う。
それにしても、琉球王国が日本文化、中国文化のよいところを受け入れ、フィクションとは言え、高度が行政実施政体を持っていたことに驚きを感じた。ちなみに、ここに出てくる外交交渉をあるリアルの仕事で役立てることができた。