HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

沖縄の歴史と観光のしたたかさ

諸事情あってソースは明かせないが沖縄は、文化と外交で王朝を四百年も継続させたお国柄だけあって、40年右肩上がりの観光産業を育成するにも大変したたかだと知った。

文化と外交で、薩摩藩江戸幕府体制と、中国への冊封体制の二重体制を生き延びたしたたかさ、知恵はすばらしい。文化と外交の代表例が楽童子と昆布だ。王が変わるたびに行われる江戸上りにかかせないのが、当時のアイドル、楽童子だと。歌もうたえば、踊りもおどれる、楽器も得意、当然見た目も麗しいとくれば人気のでないわけがない。しかも、漢詩も作れば、以後の腕前も当時の本因坊となかなかの戦いをするほどだったという。沖縄料理に使われる昆布は江戸幕府体制冊封体制の二重体制の中を中継貿易で生き延びた歴史の象徴だ。本来北海道でしか取れない昆布を、日本、中国、東南アジアと中継貿易するための商品として薩摩の強制もあるなか開発した。これが爆発的に売れたらしい。日本からは、昆布や日本刀。中国からは磁器や絹織物。東南アジアからは胡椒。しかも、中国からの沖縄の中継貿易への庇護も認められていたと。

その末裔の方々なので、現在の米国、日本の二重体制でも自国の繁栄をいかにはかるかはじつにしたたかだと感じる。詳しいことはかけないが、一例だけをあげれば中学高校の教師が平和教育のためだと、こぞって修学旅行先を沖縄にするようにプロモーションした手腕は実に素晴らしい。現在の政治的なゴタゴタすらも観光資源の一助としているように感じる。

ましてや、基地問題だがさすがに私ここでうんぬんするのははばかられる。ただ、問題をややこしくているのは沖縄の人ではないと、ある沖縄の方がおっしゃった。これは60年代、70年代から続く、成田空港や、水俣訴訟、そして現代の原発などの問題とまったく同じ構造だ。外部から来た運動家たちがふるさとをこわしていく。

沖縄の「したたかさ」とは、見習うべき知恵と文化という意味で使っている。