HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

鬼滅の刃 無限列車編 映画版 (ネタバレあり)

晦日だというのに映画を見に行ってしまった。煉󠄁獄杏寿郎の生き方に共感するとともに、自分の過去を思い出してしまった。

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もう今さらあらすじだの、作品紹介でもないほど有名な本作なので自分のツボにはまったところだけ。

杏寿郎が母親から「強い人間に生まれたのは弱い人たちを守るため」(趣旨)という言われて育ったと。そして、杏寿郎はその教えを最期まで忠実に守った。ここが私にはツボだった。私もある使命のもとに育てられた。前にも書いたが私の自己肯定感は決して高くはない。むしろ昔から劣等コンプレックスを持っている人間だ。その意味では私は杏寿郎とは違う人間だ。しかし、今になって自分の後まで考えるような時期になってくると、自分が正面から向き合っている使命に対してある程度「力」があるのだと自覚せざるを得ない。杏寿郎のような完璧さからはほど遠いが、自分の力は自分の周囲の方々を幸せにするためにあるとは信じて毎日生きている。繰り返すが、そう教えられてきたし、自分をそういう方向に向けて育ててもきた。いまでは知情意を一致させて自分の使命に向かっていると公言できる。

ただ、この手の生き方のアンバランスさは、不幸レーダーというか、よりかわいそうだと思う対象に惹かれてしまうことだ。夏目漱石の"Pity's akin to love"という言葉の通り、より不幸な相手を見るとほっておけなくなる。煉󠄁獄杏寿郎にそうした傾向を見てしまうのは、私の僻目だろうか。どうも毎年年末はあまり精神状態がよくないことが多い。今年は以前と比べればそれでも健康的な方だとは言えるが。

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