HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

校了

随分以前に予告していた「本を書く!」プロジェクトが先日校了した。

hpo.hatenablog.com

と、自分で確認して唖然としたのは、「そんなに前だったっけ?」ということ。ちょっと長すぎ。

新型コロナウイルス騒ぎの真っ最中はなかなか筆が進まなかったが、休み休み書き続け、脱稿したのは数ヶ月前。それから、体裁だの、写真だのと編集の方と打ち合わせを続けゲラ刷りが先日出てきてからは早かったように感じる。最後の最後のプロの校正の方の仕事は素晴らしかった。文字、漢字、送り仮名などの指摘はもちろん、論理構成への切り込みがすごかった。私が記憶にたどって書いた部分は全部実際の日付を調べ直すことになった。さらに、最後の編集さんとのファクトチェックもすごかった。えっ?そこまで確認するんだ!というくらい突っ込まれまくった。

書名も、分野もここで明かすつもりはないが、私にとって特別な体験であった。卒論等で長い文章であったり、最後の最後までの確認を強いられる経験をしていたのは大きかった。

これ以上出版に関わることはないとは思うが、機会があれば時間をかけてまとめてみたいのは身近な「口承歴史」。日本ですら口承と公式の歴史ではかなり違いがあるのだろう。そうそう、なんとなく古事記日本書紀が当時の貴族の家系を守るために書かれた歴史書だという説に同意したくなる。

著者が本書で展開し、私がここでこだわっているのは実は口承歴史(oral history)と公的歴史の差なのかもしれない。私がどうしてもこだわってしまい、そこで立ち止まってしまうのは歴史の時間で教えあれる歴史以外に、自分を取り囲む人たちから口で伝えられた歴史があるからかもしれない。

[書評]敗北を抱きしめて Embracing Defeat: HPO:個人的な意見 ココログ版

なにはともあれ、自分が関わった書籍が店頭に並ぶのを見るのがいまから楽しみだ。どれだけマイナーな本であっても・・・。