新型コロナウィルスについての様々な問題を冷静に語ってくださっている。どうしても、ウェブ等の知識だけだと偏りがちなところにお灸を据えられた感じ。水谷先生はど正論を書かれている印象を持った。
- 作者:水谷哲也
- 発売日: 2020/05/19
- メディア: 単行本
なんと元記事はウェブで公開済だった!
http://www.tkd-pbl.com/files/5%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8APDF.pdf
イラストはこちらも、本書も水谷先生のご自筆によるものらしい。かわいい!
印象に残ったのは、水際対策は有効ではないという部分。
詳細な分析をするまでもなく、鎖国などの措置をしなければヒトが媒介する感染症は(機内検疫、健康申告書、症状の有無調査程度の)水際対策で防ぎようがありません。しかし、たとえ一週間でも国内への侵入を送らせることができるのなら、その間に政府は対策を講じ、報道などを通じて人々の心構えを固めることができます。今となっては判断が難しいことかもしれませんが、SARSのときは水際対策が成功していたために、日本での感染者は皆無であったとも考えられます。
そう考えると、押谷先生のご指摘の千人、二千人の検疫スルーは生じてあたり前だったのかもしれない。
http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2020/05/04_Vol.61_P6-11_Infectiousdiseasemeasures.pdf
冷静に考えてみると、確かにどちらにせよ感染者は国内に入り、感染拡大の様相は大きく変わらなかったのかもしれない。
陽性者が1万5000人以上いる(未確認の感染者は引用されている部分のフェルミ推定で5万~10万)ので、そこまでは動かないと思います。後で計算してみます。
— uncorrelated (@uncorrelated) 2020年6月3日
自分で計算してみた。
https://t.co/YEuJuJ6BB4?amp=1
更にワクチンの開発の「シミュレーション」についての説明もあった。ここで感染がかなり押さえ込めた日本の矛盾というか、ジレンマを感じた。
当たり前のことだが、感染者が少なくなりすぎるとワクチン開発の治験も止まる。早期に感染が解決しすぎたので、困る方々も真剣いらっしゃるんだ?!
— ひでき (@hidekih) 2020年6月5日
収束期というか、波と波との間のいまこそ、やるべき課題が本書を読んでいると分かる気がする。