ふと、山形浩生さんのツイートを見た。「貧乏人の経済学」が売れたのかなくらいに想ってみていた。
— Hiroo Yamagata (@hiyori13) October 14, 2019
いやいや、「ノーベル経済学賞」*1を「貧乏人の経済学」の共著者お二人共が受賞という話しだった。
ノーベル賞受賞おめでとうございます!
— ひでき (@hidekih) October 14, 2019
ノーベル経済学賞、MITのバナジー氏ら 貧困を緩和:日本経済新聞https://t.co/yeO63rRwN1
本書が素晴らしいのは紋切り型の経済学ではなく、科学的思考=ランダム化試行をベースにしているところ。
更に「貧乏人」(援助を必要とする困窮する人々)には貧乏人なりの論理、合理性があるということの指摘。これが日々の生活に困らない側に立つと見えていないことが本書を読むとよく分かる。
「貧乏人の経済学」はスゴ本
- 飢えている人でもカロリーよりおいしいものやテレビを優先する
- 就学率が上がらないのは、学校がないからでない。むしろ子ども自身や親が学校に行きたがらない/行かせたがらないから
- 途上国に多い作りかけの家は、実は貯蓄手段
- 制服がある女子校と、その生徒の初性交の年齢に相関があるわけ
- 貧乏人が貯蓄をしないのは、貯蓄を「安心して」「半強制的に」できるシステムがないから(自制心のなさは、貧困国、富裕国似たり寄ったり)
これらの知見は途上国援助だけでなく、日本国内においても応用可能であろう。先に経済学保守本流の知見によって政策を組み立てるのではなく、ランダム化試行による政策の決定は貧困問題、労働問題、教育問題など広く応用可能だと経済素人の私の床屋談義にすぎないが信じる。この意味で「特区」制度は壮大なランダム化試行であったのだが、国会の低レベルな議論によって矮小化されてしまったことが実に残念。
山形浩生さんの不労所得に少しでも貢献できるようにAmazonへのリンクを張っておく。
- 作者: アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ,山形浩生
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2012/04/03
- メディア: 単行本
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