世界の秘密を知るとは自分が誰であるかを知ること。「レダ」を読んで改めて、栗本薫に思いを馳せていた。「ナリス」を思い出した。彼が求めた「世界の秘密」とは、自分自身が誰であるかを求めることだとこの年になって気づいた。
ナリスがこの機械に惹かれるのは、自分はこの世界と相容れない、どこかほかの場所にいるべき人間だ、という想いがあるからです。
だれが知ることでしょう。中原のアイドル、この世で最も恵まれた男、アルド・ナリスがそんな自己不遇感を抱えているとは。しかし、この「自分はこの世界にいるべきではない」という切ない想いは、作家栗本薫最大のテーマのひとつです。
10分でわかる『グイン・サーガ』。 - Something Orange
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/09/29
- メディア: 文庫
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ナリスの世界への違和感はそのまま栗本薫の違和感にほかならないのだろう。