稚内ってどこだっけ?と「捨てられる銀行」の稚内信金の話しを読みながら想った。
- 作者: 橋本卓典
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/05/18
- メディア: 新書
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日本の北端。ロシアにいまだ占領され続けている北方領土に近い。そんないわば「さいはての地」で地元重視で素晴らしい経営をしている信金があると。
ホームページを開いただけで、地元重視の姿勢が伝わる。
稚内しんきん
「稚内信金は地元と共に繁栄します」というキャッチフレーズがいい。いきなり、トップページから地元の経営者の紹介ページに飛ぶのも素晴らしい。そして、これだけ地元重視の姿勢を貫きながら自己資本比率が60%超というのだからぐうの音も出ない。
稚内信用金庫(わっかないしんようきんこ、英語:Wakkanai Shinkin Bank)は、北海道稚内市に本店を置く日本最北の信用金庫である。経営の安定度を示す数値である自己資本比率は63.99%(2015年3月現在)と信用金庫では他に類を見ない驚異的な数字を示しており、国内金融機関でも最高レベルを誇る。
稚内信用金庫 - Wikipedia
クルーグマン教授はご著書の中で「情報が行き渡れば金融機関の存在価値はなくなる」と断言していた。
- 作者: ポールクルーグマン,Paul Krugman,山形浩生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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「金貸しは実は生産性が低い。資本に関する情報が行き渡れば、金利はどの経路で借りても同じになり、彼らの仕事ではなくなる。」
生産性と賃金 - HPO機密日誌
稚内信金の顧客は絶対に金利の高い、低いで取引をしているのではないだろう。
稚内しんきん » 北の経営者たち(バックナンバー)
「捨てられる銀行」では増田理事長が「高い自己資本はすべて地元の繁栄のために使うためにある」と断言していらっしゃると紹介されていた。実際、空港、港湾などにも信金が(!)投資を行っているという。また、地元企業への融資も「疑似資本」として働くように長期的な視野で行われているという。
資金調達面では、高金利で集める大口預金には興味がなく、地道な営業活動でコツコツ積み上げる小口主義で着実に預金は伸びている。資金運用面では、市場規模が大きい札幌旭川地区での融資推進に期待しているが、ここでも、見かけの貸出金残高にこだわった無茶な営業活動は厳に戒めてきた。ひとえに、本店を中心とする主営業地区における資金供給者としての役割を第一義的に果たすための融資戦略だ。
株式会社金融経済新聞社│キンケイ│東京都│金融経済新聞発行│フィンテック│金融専門紙
大変、興味深い。