マクドナルド本、読み終わった。当初ウェブで読んでいた内容より、中身が濃かった。特にガバナンスの問題にまで踏み込んでいたことに驚きを感じた。
- 作者: 小川孔輔
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: 単行本
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基本的には、ウェブ版よりもガバナンスの問題に多く紙幅をさいていた。これまで、「MacからMacへ」で有名になった。原田泳幸氏が、直営店主体であったマクドナルドの店舗をフランチャイズに売りまくったとされたきた。本書では、原田氏の社長体制の半ばにホフマン氏という米国マクドナルドから役員として送り込まれたことに焦点をあてている。同時期に、マクドナルド米国本社の株がアクティビスト、ものをいう株主を標榜するファンドに買い込まれた。このファンドの言うことを聴いて短期の利益を最大化する方針に米国本社は転換していた。実は、原田氏よりも、このホフマン氏がより大株主であるファンドの言うことを聞いて店舗の売却をすすめたことを明らかにしたことがが焦眉。私は、てっきり原田氏が自分の社長としての最後にキャリアに花を添えるために店舗売却をすすめたのだと思っていた。
この前の大塚家具では閉じた経営、身内のガバナンスに固執したために親子の骨肉の争いになってしまったケースであった。この日本マクドナルドのケースは、逆に株式公開をすすめ、ガバナンスの強化を進めて、すべてがサラリーマン経営者になってしまった場合を如実に表している。
経営の「ほどよい」ガバナンスとは誠に難しい。