一ヶ月に渡る経営の勉強会の最終日となった。大変、勉強になった。経営とはヴィジョンの実現に他ならない。経営者は、一人一人の従業員が一人であげるより以上にその組織内でパファーマンスをあげられるようにすることが仕事だ。よく言うのだが、一人一人の力の総和程度しか組織全体のパフォーマンスをあげられないのなら、組織などいらない。経営者は全く力を発揮していない。一人一人が他の従業員のパフォーマンスをほんの3%あげる仕組みを作れればいい。仮に100人の組織で3%他人のパフォーマンス向上ができれば、(1+3%)^100=19.21となり、自分自身のパフォーマンスが20倍になったと胸を張れる。とはいえ、大企業、特に都市銀行のようにコンプライアンスの名の下に従業員の手足をしばるような施策を、中小企業はできもしないし、するべきではない。既に[http://hpo.hatenablog.com/entry/2016/08/03/223000:title=金融庁の方が斜め上の生産性向上、地域創生の動き」に入っている。いや、ちょっと話しがそれた。
では、経営者が従業員のパフォーマンス向上をどのように図ればよいか?多くの業績をあげている企業の経営者は「ヴィジョンを徹底すればいい」という。これができるようでなかなか難しい。盛和塾ではこのヴィジョンの徹底を「フォロソフィ」という形で全従業員が理解できる形で展開し、学習することが推奨されている。経営の仕組みという点からは、今回の勉強会ではヴィジョンとコアコンピタンス、中間成果(KPI、KSF等)、最終成果まで一致させることだと教わった。
ヴィジョンとは、夢であっていい。企業の使命をしっかりと断言したものでいい。このヴィジョンを自社の能力と照らしあわし、その能力を再定義する。ここは経営者にしかできないのではないだろうか?たとえば、「クロネコヤマトの宅急便」。ヤマト運輸はデパートの三越を最大の顧客とし、お中元、お歳暮を全国に届けていた。ところが、三越の経営の専横化の中、一夜にして三越から切られた。当時の社長の小倉昌男氏は、米国視察などを経て、自社の全国津々浦々のお宅に品物を届ける能力を現在の宅急便に結びつけた。その後の成功は書くまでもない。
中小企業者として重要なのは、立派なビジョンを掲げ、その浸透に成功したならば、経営の仕組みとして、その最終成果と自分の持つ力の「差」をどのように近づけるかの方策をヴィジョンと常に紐付いた戦略として展開することが大事。ここは経験上それぞれのPDCAサイクルの中でインプリメントするしかない。そして、PDCAサイクルの指標としてKPI(Key Performance Index)を明確に定義し、その指標がサイクルに合わせて経営者に報告され、必要な従業員の間で共有されるようにしなければならない。よく営業の売上げ高をグラフにして壁にはってあるが、あの類だ。会議体の定義と頻度、形式とも関わってくる。
いやいや、いい勉強会であった。