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HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「理」と「情」の狭間

一応、曲がりなりにも父から私への相続を終えた今、大変興味深く読んだ。やはり、仲がよいことが最大の相続対策であると私は想う。結果としての、相続税対策でもある。

内容は著者、磯山友幸さんのブロゴスにかなり詳細に書いてある。

blogos.com

この問題は、経営者親子の喧嘩としてみるよりも、磯山友幸さんが指摘しているように経営のガバナンスの問題であると捉えるべきだと私もようやく理解した。磯山友幸さんが書いている。

 久美子氏は「大塚家具は上場したことで、大塚家のものではなくなった」と公言してはばからない。騒動のさなかでも、理路整然とコーポレートガバナンスのあり方を語っていたが、それは父親と戦うための「武器」であると同時に、「信念」でもあった。一族に社長の「適格者」がいなければ、社員や外部から選ぶことになる。そうした人材をどうやって育てていくのか。

 コーポレートガバナンスは決して大企業だけに求められている問題ではない。「家業」が成長していく過程で、ビジネスモデルや経営体制をどう変えていくべきなのか。創業一族と経営者の関係はどうあるべきか。様々な教訓を含んでいる。大塚家具の騒動は、まさにコーポレートガバナンスの生きた教科書なのである。

私も仕事がら中小企業においていくつもの親子喧嘩を見てきた。相続税対策もかなりつっこんで話しをしてきた。名経営者と言われた方が年をとるにつれて、猜疑心が強くなり息子すらも信用できなくなり、大変な問題に発展した事例もあった。経営とした厳然とした現実から言えば、「理」と「情」が戦えば「理」が勝つとそれでも私は想っている。「情」だけでは、現代のように情報がいきわたる社会では通用しない。とはいえ、「情」がなければ人がついてこないのも事実。

考えてみれば、十分に若いうちから自分が衰えた時の対策、サーキットブレーカーとも言える仕組み、人物を作っておく必要がある。「コーポレートガバナンス」なんて横文字は会社を弱くするためだけのものだと想ってきたが、本書を読んでからまだ「理」づめでものを考えられる時期に自分を戒める意味で、真向きに捉えるべき課題だと考えるようになった。

本書を読み終えて、たまたま知人の出版記念のレセプションがあった。会場のレストランで、テラスに出てみると、「IDC Otsuka」のネオンが光っていた。

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IDC」とは"International Design Center"の意味だと聞く。開発輸入というのだろうか、質の高いデザイン、製品を開発し、世界的なネットワークの中で最適な生産体制を作ると。ここの原点はまったく間違っていないと私は想う。大塚久美子社長は経営自体には全く拘泥されていない方だと感じた。どうか、社員の方と新たなIDCを構築し、発展繁栄していただきたい。


■本書のその後

こちらもよくよく研究しておく必要がある。本書のあとに結審したと。経営権の継承と、合理的な相続の手法は、やはり親子の「情」があって成立するのだと心しておくことが大事。

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