苫米地英人氏は、元々認知科学のご出身ということで、興味を持ってみていた。苫米地氏の興味の対象は、認知科学に留まらず、LISP、P2P、マインドコントロールなど、多方面にわたる。しかし、戦争論にまで及ぶとは思っていなかった。それこそ、マインドコントロールを受けないぞという姿勢で読み始めたが、一気に読んでしまった。

- 作者: 苫米地英人
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- 発売日: 2015/04/22
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ちょうど、幕末の英仏の関わりについて興味をもっていたので、ぴったりきた。クロムウェル、アメリカ独立戦争、フランス革命、南北戦争、明治維新、第一次世界大戦、そして、第二次世界大戦とすべて通貨発行権をめぐる戦いであったと書かれている。クロムウェル、ロベスピエール、リンカーンと、ここれにかかわったリーダーは暗殺されているとも。ああ、そういえば、坂本龍馬も暗殺されている。
坂本龍馬が描き、英仏の大きな影響下にあった薩長で明治維新が成り、まもなく日本銀行が設立された。日銀の株主がだれだか大変興味があるところ。法の下の銀行であるので、株主が誰であっても政策に影響を及ぼせるとは思わないが。
2010年(平成22年)3月末日時点における政府以外の出資者の内訳は、個人35.9%、金融機関2.4%、公共団体等0.2%、証券会社-%、その他法人6.5%となっている[2]。株式会社と異なり、出資者は経営に関与することはできず、役員選任権等の共益権はない。
日本銀行 - Wikipedia
日銀の初期の総裁には三菱系列の人物が多い。坂本龍馬、三菱、そして、グラバーと長崎でつながる・・・。とか、陰謀論をめぐらせたくなる。
元に戻って、これらの通貨発行権をめぐる争いの首謀者は、「ヨーロッパの大銀行家」だと。「ヨーロッパの大銀行」と言えばロスチャイルド。で、思い出したのが丸の内のお堀を望むオフィスビルに言ったときのこと。ちょうど「赤い盾」を読んでいたのだが、ここに出てくるロスチャイルド系の銀行の名前がずらりとならんでいた。
SF話しで恐縮だが、デイヴィッド・ブリンの「ガイア」にほぼ同じ構図が出てくる。
デイヴィッド・ブリンの描いた見事な未来予想図では、まもなく富裕層が全世界的な課税を嫌ってスイスに立てこもり熱核戦争を引き起こすことになっている。ウェブの全世界化、スマフォとツイッター、SNSによるゆるい監視社会の実現など、30年前に見事に現在の世界を描いている。
ピケティのグラフ - HPO機密日誌
にしても、中央銀行はもとより、各銀行ですら各国の法の下に存在している。銀行という法人であっても、その経営者、その家族は存在する。どれだけの儲けがあったとしても、個人としては政府と法によって逮捕もされうれば、徴兵されることもありうる。いろいろなことが、通貨発行権をめぐる歴史から観れば説明しうるとはおもうが、最終的に大戦争を起こしても、安穏としていられる経営者、人物は想像がつかない。
とりあえずは、ナイ論文は読んでおこう。

フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年12月10日発売号
- 作者: ジョセフ・ナイ,イアン・ブレマー,エリック・シュミット(google CEO),リチャード・アーミテージ,他,フォーリン・アフェアーズ・ジャパン,Foreign Affairs Japan
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