まだ読み切っていないので、結論は早いかもしれないが、どうも著者には予断があって史実を集めている感じがする。
- 作者: 別宮暖朗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: Kindle版
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半ばまで読んで、本書の性格はAmazonのこの書評の通りのようだと。
「陸軍は粗暴犯、海軍は知能犯」と昔から言われる。だが、ずっとその意味が分らなかった。本書を読んで初めてその意味を知った。ネタバレだが、はっきり言おう。本書の価値がそんなところにない事を確信するから。あの戦争を起こしたのは海軍だ。ヒトラーの対仏戦勝利の後、英国防衛のためにアメリカは空母24隻を中核とする建艦計画を発表する。ところが、これを知った日本海軍は対抗の不可能を知り、恐怖する。大艦隊が地上に出現する前に攻撃を掛けるしか、帝国を守る責任を果たせないと思いつめる。
支那事変が不用意に始まってしまい、英米の支援を受けて長引いていたため、米国と闘わざるを得ないだろうというのは、当時の一般的な知識人、高級軍人の常識であったのはないだろか?このことは石原完爾の戦争のちょうど1年前の「最終戦争論」に明言されている。
今日から二十数年、まあ三十年内外で次の決戦戦争、即ち最終戦争の時期に入るだろう、ということになります。[1940+30=1970年]
石原完爾の「最終戦争論」からのぬきがき - HPO:機密日誌
この辺は、「未完のファシズム」に詳しい。
- 作者: 片山杜秀
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/11/23
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戦争が日本の官僚機構の構造的な問題で始まってしまったというのは酸性。そして、それがそのまま戦後まで連続しているだろうというのが、私の主張。
とにかく読み終わってから結論をだそう。
ちなみに、Kindleで読んでいるのだがこのメモの機能が秀逸。なんでこれまでちゃんとつかってこなかったのだろうかと。