読み始めたのが7月10日。実に2ヶ月。考えられない。
- 作者: マット・リドレー,中村桂子,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 文庫
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- 作者: マットリドレー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/08/28
- メディア: Kindle版
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お、Kindle版も出たのかな。
本書の主張を短くまとめれば、こうなる。「十二人のひげづらの男」に示された科学者たちの見解がすべて正しい。つまりは、氏と育ちだ。私達がこれまで想ってきたよりは、行動主義的ではない。私たちの性格、知能、行動の傾向などは遺伝子によってかなりの割合で決まっている。それでも、遺伝的素質、ポテンシャルに環境や、親の愛や、自分自身の行動がないと遺伝子は発動しないことがある。親からの虐待も、まったく影響しないという遺伝子を持つ人もいれば、少しの虐待でも自分自身が暴力的な素養を発動してしまう遺伝子をもつ人もいる。
ちなみに、「十二人のひげづらの男」とは、チャールズ・ダーウィン、フランシス・ゴールドトン、ウィリアム・ジェームズ、ヒューゴ−・ド・フリース、イヴァン・パブロフ、ジョン・プローダス・ワトソン、エーミール・クレペリン、ジグムント・フロイト、エミール・デュルケーム、フランツ・ボアズ、ジャン・ピアジェ、コンラート・ローレンツだ。彼等の書く業績は本書を読むにしかずと。
時間はかかったが、実に楽しい読書体験だった。