NHKで特集見た。敗戦の分析がその活動の原点にあるとは知らなかった。
- 作者: 緒方貞子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/08/19
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犬養毅の曾孫でいらっしゃるとは知らなかったが、そのお立場も生かして当時の戦争の意思決定がどのようにおこなわれたかインタビューを丹念に行われた。満州事変を起こした関東軍関係者は、満州国ありきで国際的な日本の立場を無視して暴走した。陸軍の中央も関東軍をたしなめることはおろか、5.15事件というテロを起こさせてしまった。結果、国内の政治家を震え上り、関東軍と陸軍の暴走を止められなかった。この構図を緒方さんは「無責任」のひとことで切り捨てていらっしゃった。
結婚し、子どもを育てながら国際基督教大学で非常勤講師をしていた。その、緒方さんを女性国連公使に引っ張り出したのは市川房枝だったと。まさに運命であったと。
この偉大な女性のすごさを実感したことがある。ある大学で講演をされた、確かCDだったと思うが記録を聞いた。冒頭「私の娘がこの学校でお世話になっていてありがとうございます」とおっしゃったと。お嬢さん?と会場がざわめく。関係者が思わず「存じ上げませんでした」と聞くと、難民であった女の子を自分の養女として日本に招聘し、その大学の日本語学科に入れたのだと。国連高等難民弁務官の使命にそこまで真剣に取り組まれているのだと感激した。