垣根涼介の「ワイルド・ソウル」を読み始める。面白い。上下巻で千ページ近いのだが、一気に四分の一ほど読んだ。

- 作者: 垣根涼介
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垣根涼介は(と呼び捨てにするが)、大学時代アパートの隣人だった。バイクに乗る姿、革ジャンに両手を突っ込んでる姿がいまでも浮かぶ。いまでは信じられないことに一緒に同人誌も書いていた。昔の長屋アパートというのか、二部屋で平屋一棟になっているアパートで、隣の棟に私は同じクラスのY君と住んでいた。冬には窓ガラスが凍る、トイレも汲み取りだった。当時ですら、よく残っているなと想っていた。
大学のコミュニケーション誌に「同人誌の主催者だった同室の男が、『朝食を一ヶ月作ってやるから同人誌に書いてくれ』と言われて30枚ほど書いたのがきっかけだった。」と正直に語ってくれたのがうれしかった。そう、「洗濯大会」なんて名前だった。
四半世紀が過ぎて、私は全く文章が上達しなかったが、彼はいっぱしの小説家となっている。うらやましい気持ちが全くないかといったら嘘になるが、同年代の人間ががんばっている姿を見るにつけ励みになる。ああ、もっとがんばれるなと。
また激動になるのだろうが、これから十年が働けるだけ働く時期だ。がんばろうっと。
■追記
「色事師」の章にはまった。いいセックスの出てくる小説を読むと、つい自分もいい男で、いいセックスができるような気がしてくる。いや、私のような凡人をしてそう思わせる力があるからこそ、いい小説と言えるのか。これはそういう小説。