HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

屍者の帝国 エピローグまで

蕎麦屋さんから本書を回収して、ようやく読了した。最後の80ページあまりで全く違う物語に変容していった。見事だ。

屍者の帝国

屍者の帝国

いま伊藤計劃のプロローグを読み直しても全く違和感がない。むしろ、最後のエピローグまでプロローグに予言されていると言っていい。その上で円城塔の言語論、いわば意識の在り方が、連結されている。

円城塔の問題意識が「ゲーデルエッシャー、バッハ」にまでつながるのだと理解した。

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

いやいや、濃密な読者体験であった。


■追記

円城塔さんの「あとがきに代えて」を読んで感動した。読了してからこの文章に触れられて良かった。