HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「屍者の帝国」 プロローグから第二部まで

昨日の夢見は大層悪かった。次から次へと押し寄せてくるゾンビから逃げようとしても、逃げられない。終いには、身体もうごかなくなり、大声で叫んだ。大声で叫んだ自分の声で目が覚めて救われた。

夢で繰り返し、ゾンビに襲われる夢を見て、とうとう起きてしまった。寝る前に読んでた本が「屍者の帝国」。そりゃそうだ。

http://twitter.com/hidekih/status/249566781226745856

屍者の帝国

屍者の帝国

そのあと寝付かれないまま、読んだ本も悪かった。

気を取り直して、口直しに「中島敦全集」を読み始めた。読みかけだったのが「木乃伊」(ミイラ)・・・。もういや!

http://twitter.com/hidekih/status/249569087502557184

中島敦全集〈1〉 (ちくま文庫)

中島敦全集〈1〉 (ちくま文庫)

プロローグから、第一部にかけて文体がきっと変わってしまうのだろうと覚悟していた。「銀河帝国の崩壊」の続きを加筆した「悠久の銀河帝国」みたいなことになるんじゃないかとひやひやしてた。

いやいや、そこは芥川賞作家、円城塔さん!伊藤計劃のプロローグの緊張感や、語感を台無しにすることなく、進めている。

そういえば、日本人による続編という意味では「カラマーゾフの妹」と微妙に相互連環しあっている。

カラマーゾフの妹

カラマーゾフの妹

「予言」どおり革命家となったアレクセイ・カラマーゾフ、「子どもたち」の代表としてコーリャ・クラソートキンが、遺憾なく活躍すること。19世紀に「計算機」の概念を持ち込んでいること。「妹」の著者の高野氏も本来SF作家らしいので、もしかすると両作品ともギブソンの「ディファレンスエンジン」の影響を受けているのかもしれない。実在の人物がばんばん出てくるところも、似ているといえば似ている。

ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

今日は外形的な話しだけ。ネタバレを含む感想はちゃんと最後まで読み終えてからに。

ちなみに、かなり歴史的な知識が必要なので、このページと首っ引きで読んでいる。

id:DocSeriさんに深く感謝。