HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

カラマーゾフ家の異常心理

カラマーゾフの妹」は、神学、哲学の領域まで高まった罪の問題あるいは革命前のロシアの風土、政治の問題を、異常心理のレベルに還元してしまっている。しかも、ほぼカラマーゾフの血筋の方々のものだけ。いかがなものかはと。

カラマーゾフの妹

カラマーゾフの妹

カラマーゾフの兄弟」そのものと、残された資料を元に、表面的な論理としては見事に整合性がとれている。しかし、根底に流れている思想については、続編の在り方について識者の見解は、本書の著書とは大分異なるようだ。

『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)

『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)

ま、Wikipediaヴィトゲンシュタインは「カラマーゾフの兄弟」が愛読書だったと書いてあるが、一般人の目で見ればヴィトゲンシュタインも相当に変わっている。こうした崇高なものへの思想と、異常心理は紙一重なのだろうか?

やっぱり「カラマーゾフの兄弟」を、亀山訳で読み直してみる必要があるかなぁ。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

でも、こっちを先に読んでしまいそう。

「屍者の王国」を作っていると考えられるのは、アレクセイ・カラマーゾフ。『カラマーゾフの兄弟』に出てくるアリョーシャその人である。

伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』 - logical cypher scape

屍者の帝国

屍者の帝国

どうも世の中、「カラマーゾフの兄弟」の続編流行なのかもしれない。

ちなみに、著者の高野史緒さんは私と同い年。学生時代の一時期、私も土浦に住んでいたのでもしかするとどこかでお会いしているかもしれない。

高野 史緒(たかの ふみお、女性、1966年 - )は、日本の小説家。茨城県土浦市出身。茨城大学人文学部卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程(フランス近世史専攻)修了。日本SF作家クラブ会員。日本ロシア協会普通会員。