行きつけのカレー屋で昼飯を食べた。ナンとキーマカレーを食べて、一息ついていたときに、カレー屋の主人のインド人から話しかけられた。
インド人「尖閣の問題は、絶対妥協しちゃだめですよね。たとえひとかけらでも、領土問題で妥協したら全世界からつけこまれる。領土を守れなくなる。領土を守れなくて、なにが国ですか?」
言い忘れたが、在日10年になんなんとするこのインド人は、日本語がべらべらだ。教養も、意識も高い。
私「特に尖閣諸島は、日本と台湾の間にあるから、中国からの干渉がうざいからといって領土をゆずれば、日本と台湾の間にくさびを打ち込まれることになる。友邦の台湾を危機に陥れかねない。」
この時は口に出さなかったが、私の中には根本中将が中共からの防衛に力を貸した金門島がイメージされていた。

- 作者: 門田隆将
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金門県(きんもんけん)は中華民国が実効支配する県。
金門県 - Wikipedia
歴史的に中国の福建に属した。現在、中華民国の「福建省政府」が置かれ、行政区分上は泉州晋江市の管轄となっている。
(中略)
中華人民共和国側の厦門市とは海を隔てて接する。中華人民共和国支配地域とは最小2.1kmしか離れておらず、国共内戦期間中は最前線となった。
「尖閣諸島」の名称は、明治政府からこの島を無償貸与された実業家の古賀辰四郎の依頼により、1900年(明治33年)5月に当地を調査した高知県出身の教師、黒岩恒が命名したもので、島の尖っている形状と「イギリス海軍水路誌」にある "The Pinnacle Islands" の意訳に由来する。
尖閣諸島 - Wikipedia
(中略)
現在はいずれも無人島であるが、戦前には定住者がいた時期もあった。なお、大正島は明治の編入以来国有地(国有財産)であるが、久場島など4島は後述のように長らく個人所有(私有財産)が続き、日本政府が賃貸借契約を締結し賃貸料を支払っていた。
私「週刊誌ネタだけど、今回尖閣諸島の地主さんというのが莫大な借金を抱えていて、その債権が中国側に渡ったりすると、とんでもないことになるからと石原都知事が東京都で買うと呼びかけた。僕も募金に応じた。合計が12億だっけ?」
インド人「合計17億円だって。」
私「そうそう、それだけのお金が多くの国民の熱意で集まった。それを横から国が買ったから中国は頭にきちゃった。しかも、日中国交正常化40周年の多くの記念日や、全人代なんかが予定されているこの9月にね。」
その野田総理が、15分間とは言え、胡主席が時間を取って中国側の意思を伝えたというのに、翌日の10日には「尖閣国有化」閣議決定を宣言し、11日に実際に閣議決定してしまった。
胡錦濤の怒りが、どれほど強烈なものであったか、想像に難くない。
わずかばかりの期待と、日本側に対して発した厳しい警告が、すべて裏切られたことになる。日中国交正常化に当たって約束されていた「尖閣諸島問題棚上げ」は日本という「国家」によって無視されたのだ。しかも胡錦濤は15分間の立ち話の中できちんと「日中関係の発展を守る」という言葉も投げかけ、日中国交正常化40周年記念に対して注意を喚起していた。そのため他の国からの多くのオファーを断ってでも、日本を重んじて時間を割いた。それらの配慮がすべて無視されたのである。
こうなったら、一歩も引くわけにいかない。
発火点は野田総理と胡錦濤国家主席の「立ち話」:日経ビジネスオンライン
胡錦濤は「戦う」ことを決意した。
インド人「それにしても今回のことがあって、日本だけじゃなくて他の国も中国に投資したり、進出しなくなるよね。スズキの工場のことがなければこういうときこそのインドなんだけど。」
私「実際、建築関係筋の情報によると、中国以外のアジアに進出したいから工場を作りたいというオーダーが日本のゼネコンに殺到しているらしいよ。問い合わせは毎日だって。僕も、インドネシアとか、ベトナムとか行ってきたけど、政治リスクははるかに低いし、日本との信頼関係も非常に厚く、深いのを感じてきた。」
インド人「中国おかしいよ。」
とか話している間に昼休みの時間が終わってしまった。たった一人の意見ではあるが、日本という国に利害も薄い、思い入れも少ないインド人でも、固有の領土という内政問題を、外国の内政問題のために妥協してはならない。妥協したら最後、最後のひとかけらの土地まで外国からつけ込まれる。