ジョンソン大統領の高福祉政策が家族を崩壊させた話しはすでに書いた。
例えば、ある地域では75歳を境に単身世帯の比率が10%も跳ね上がっているのだそうだ。なぜかわかる?私は見当もつかなかった。教えて下さった方によると、手厚い福祉政策のせいなんだそうだ。後期高齢者になると家族と同居しているか、単身かで手当ての厚さが違う。福祉政策によって高齢者まで損得を考えて別居する。それも、10人に1人がそうするというのは、実に悲しい。
米国にいたころ、実際に見聞きした話しがある。たまたま、子どもの公園デビューから、白人とネイティブアメリカのカップルと知り合った。仲のよさそうなご主人と奥さんと子どもの三人家族だった。仲良くなってから聞いたら、法律上の扱いが実はシングルマザーなのだという。米国の福祉政策上法律上はシングルマザーでいる方が、医療費などが優遇されるのだそうだ。家族という絆をなげうってでも、子ども手当てをもらうために籍を入れないなんて悲しすぎる。
確かに、福祉は「弱者」のためにある。私だって介護する/される立場になったときに、通常の収入だけでやっていけといわれたら途方にくれるだろう。先日聞いた福祉の話しでも、実感した。特に独居の方ってものすごく大変そう。ホームヘルパーなしでは、生きていない。
前置きが長くなったが、ベーシックインカム(BI)制度の導入がなぜ家族を崩壊させるか?について考えたい。
高福祉政策は個々人を対象としようとする。一人でいなくてはならない人は、生活が支えられない可能性が高いからだ。余儀なく一人で生活せざるを得ない人はいる。しかし、家族でいることの大切さを育てない。これまで生きていくために、窮屈でも家族で暮らすことを余儀なくされてきた。BI政策は家族で居なくとも個で完結させようとする制度だ。
福祉は家族よりも「個」を単位で行う。家族と離れても福祉で生活できるのなら、誰もが我慢をしなくなる。社会の中には、最適化されずに不合理であるがゆえにバランスを保てていることは沢山ある。
家族が崩壊すると治安は簡単に悪くなっていく。
最近、東京に近いある地域が急速に治安が悪くなり、人の移転が続いていることを知った。複数の方からそう聞くので、間違いはないだろう。ここは東京周辺地域でも、単身世帯が多いので有名なところだ。
いかん、眠くて仕方ないので、とりあえずこれで寝る。
■Twitterからのコメント
もうすっかりTwitter全盛でコメントもTwitterという状態があたりまえに。
ベーシックインカムには、私も懐疑的です。理由は色々ありますが。しかし、家族崩壊については、政策が悪過ぎだろうと思いますね。私であれば、複数世帯で暮らす家にインセンティブを出す政策にします。地域コミュニティへの活動とか。
http://twitter.com/Shinya_Ooki/status/9585781322
で、お返事もTwitter経由で。
そこら辺の、これまで行政マンから、政策パッケージから聴かせてきた「小ワザ」をBIは全く否定しているように思われます。「行政の効率化」が実は一番大事なテーマですから。でも、それをやってしまうと、家族も地域ももたないのではないでしょうか?
http://twitter.com/hidekih/status/9609471860
■私の考え違いを指摘いただいた。
うーん、確かに。
id:tangkai-hati 一定収入が保証されれば、できるだけまとまって生活をしたほうが共有できる部分で節約できて有利という考えもできる。特に都市部では住居にかかる費用面でその傾向が大きくならないだろうか。 2010/02/25
id:yoshikogahaku え、ちょーデッカイ家族になることじゃないの? 任侠右翼として支持してるんだけど、違うのかな。/気にしないけど、誤字脱字めちゃ多いですよ。ほんとに寝た方がいいですよ。寝るのが一番。 2010/02/25
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/hihi01/20100224/1267029365
id:GiGir BIの典型的な誤解例。BIは損得を考えると高齢者でなくとも同居するようになりますね。 2010/02/25
やっぱり、インプリメンテーションの問題かな。
■補足
このエントリーの後にふたつほど関連エントリーを書いた。