本書の主張は一環して農業も規模の経済を追求すべきであり、この流れを阻害する現行の農協は邪魔をするなということであろう。

- 作者: 山下一仁
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2009/01/10
- メディア: 新書
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兼業農家は、割合としては全農家の7割を超えているが、実数を見と、第二種兼業農家数は90年の198万戸から05年には121万戸に減少している。最近では2000年から05年までの減少率は22%である。(中略)
その一方で、農協がこれまで冷遇してきた規模の大きい農家層が着実に伸びてきている。米の販売農家は、全体では2000年から05年で16%減少した。このうち3ヘクタール未満の層が軒並み減少しているのに対し、3ヘクタール以上の層は増加しており、特にもっとも規模の大きい10ヘクタール以上の層は、3.4%ともっとも多い増加となっている。つまり、規模の小さい農家が撤退し、規模の大きい農家がますます規模を拡大しているのである。農協の存立基盤が揺らいでいるのである。
根拠となる統計はセンサスであろうか?
ただし、元官僚の方々の論文を読んでいていつも感じるのは、「肉をきららせて骨を切る」殺法で自らも犠牲は払うが、必ずライバルを排除し、官僚のコントロールをますます拡大する方向に論を持っていこうとしているように思えてならない。
あまりに恣意的に規模の経済を追求するとブラックスワンがまた飛び立ちそうな気がする。
あと、農業だけは土地の面積が経済の基盤であるので、複雑系的な土地利用の形態があるという分析をクルーグマン教授が書いていらした。
まとまらないが、一旦このままアップする。
■参考
なぜ北海道だけが規模の経済で生産性を高くできたか、id:pal-9999さんのお話で理解できた。
読みましたよー。良い本だけど、大規模農家は、土地利用型の作物の米、小麦、大豆、とうもろこしに限られると思います。他の作物は、規模の効果が効きにくいんです。
http://twitter.com/pal9999/status/8139020465
そっかなぁ?