HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「やがてすべて無になる」

紅子さんにはまってしまった。紅子さんは、上海の外灘の歩道を歩いていたときに、人生の真実のひとつに気づいてしまったのだ。

対岸にそびえる数十棟の光の柱を見ているうちに、不意に、やがてすべて無になる、という言葉に掴まった。圧倒してくる光の柱のことではなく、わたし自身のカラダのこと。(中略)

あのとき、わたしを抱いてくれる男が欲しいと思った。性の欲望では無かった。快楽が欲しいのとも違った。ただわたしの人生で欠けているものが、はっきりと見えたのだ。

人が道をあやまるというこは、こういう瞬間からなのかもしれない。特に、アンカーを下ろしていない生き方をしている人には、こういう気付きが時にとても危険なのだ。

甘苦上海 II

甘苦上海 II


外灘は、ずいぶん前に昼間にいった。改めて、上海の街を夜歩いてみたくなった。「甘苦上海」は上海のすぐれた観光ガイドでもある。


大きな地図で見る